日本の美が輝く舞台、ミラノデザインウィーク2025へ
埼玉県川口市から世界へ、日本の職人技術と美を発信する挑戦が始まります。川口市で5社の金属加工業者が協力し、世界最大のデザインイベント「ミラノデザインウィーク」に初出展します。このプロジェクトは「BASE TIMES kawaguchi」と名付けられており、デザインの専門家である石田和人教授とのコラボレーションを通じて実現しました。
BASE TIMES kawaguchiの誕生
川口市は長年にわたり金属加工業が栄えた街であり、町工場が数多く存在しています。2018年には「川口オープンファクトリー」が開催され、これをきっかけに町工場とデザイナーがコラボレーションする活動が始まりました。「BASE TIMES kawaguchi」のプロジェクトは、この流れを受け継ぎ、各社の持つ技術を活かして様々な作品を制作しています。
ミラノデザインウィークでの出展
今回は、「ミラノデザインウィーク2025」において、川口市の職人技が光る作品、「kawaguch-air(カワグチエア)」シリーズを展示します。この展示は、川口に息づく金属加工技術を表現したもので、職人たちの技術力を家具という形に落とし込んでいます。特に、デザインの中には日本特有の美的感覚が盛り込まれており、映り込む風景がデザインの一部となるよう工夫されています。展示の際には3つの大きなフレームを用いたインスタレーションも行い、観客に新たな体験を提供します。
展示詳細
- - 展示会期:2025年4月6日(日)12:00〜19:00(プレスプレビュー)
4月7日(月)〜13日(日)10:00〜20:00
- - 展示場所:MoscaPartners Variations, Palazzo Litta, Corso Magenta 24, Milan
川口市の技術力
「kawaguch-air」シリーズに参加する企業には、老舗の金属業者や精密加工を得意とする企業、新しいデザインを追求する工房などが名を連ねています。例えば、株式会社かねよしは78年の歴史を持ち、迅速な納品が強みです。また、フジテック株式会社は曲げ加工の専門家として多様な分野で活躍しています。これらの企業が各自の技術を持ち寄ることで、新たな形のものづくりを実現しようとしています。
アートと地域のつながり
「川口まちこうば芸術祭」の開催を通じて地域の製造業の魅力を発信し、子どもや学生、デザイナーに川口の技術の素晴らしさを知ってもらうことを目指しています。また、このプロジェクトは、地元の町工場の減少が進む中で、新たな可能性を見出し、将来の担い手を育てるための基盤を築くことにもつながります。川口の魅力を広めながら、海外マーケットへ進出することは町工場の価値を向上させるチャンスとなるでしょう。
国際的な交流の場、ミラノ
ミラノデザインウィークは、デザイン業界の国際的な交流の場として知られ、様々な国からアーティストやデザイナーが集まります。今年のテーマは「Migrations」であり、参加者は地理的な境界を越えて新しい視点を体験します。その中で、日本の職人たちがどのように世界に影響を与えるのか、非常に楽しみです。本プロジェクトが新たなデザインの潮流を生む契機となり、川口市の技術が広く認知されることを願っています。