理研ジェネシス、革新のメチル化検出キットを発表
東京都品川区に本社を構える株式会社理研ジェネシスは、体外診断用医薬品「OncoGuide™ EpiLight™メチル化検出キット」(以下、本製品)の発売を2025年6月1日から開始すると発表しました。この製品は、がん組織のDNAメチル化状態を検出するもので、結腸・直腸癌における治療薬の選択を補助することができます。
画期的な技術
本製品は、東北大学との共同開発によるもので、リアルタイムPCR法を原理としており、世界初の体外診断用医薬品として注目されています。具体的には、検体から抽出したDNAをバイサルファイト変換処理し、16領域のDNAメチル化状態を検出することで、がんのタイプを高メチル(HMCC)または低メチル(LMCC)として判定します。これにより、患者に適した治療法の選択が可能になります。
がん治療への影響
現在、日本における結腸・直腸癌の治療ガイドラインでは、RAS遺伝子やBRAF遺伝子、マイクロサテライト不安定性(MSI/MMR)などの検査が推奨されています。これらの検査結果は、抗EGFR抗体薬の適用に直結し、特にRAS遺伝子野生型の患者に適用されることが多いです。本製品は、これらの検査結果を利用し、より詳細な情報を提供する役割を果たします。
近年、がん治療においては原発巣占居部位も考慮されるようになりました。これにより、患者ごとの状態に合わせた治療法の選択が進んでいます。例えば、右側の原発巣占居部位がある産筍野生型の患者には、抗EGFR薬以外の治療法が推奨されることが多くなっています。
臨床研究によって、本製品のDNAメチル化状態が抗EGFR治療の効果を予測するバイオマーカーとしての有用性も確認されています。これまでも様々な研究により、その重要性が明らかになっており、今回の保険適用はその成果を反映しております。
理研ジェネシスの使命
理研ジェネシスは、精密医療の拡大を目指し、患者にとって有益な検査法を迅速に提供することを目指しています。この新たなメチル化検出キットによって、多くのがん患者が適切な治療を受けられることが期待されています。
感謝の意
本製品の開発にあたり、多くの患者様、研究者、医療機関の皆様にご協力いただきました。特に、東北大学の石岡千加史先生、大内康太先生には心より感謝申し上げます。彼らの専門知識とサポートがなければ、この革新は実現しませんでした。
おわりに
理研ジェネシスは、最先端の遺伝子解析技術を基にしたサービスを提供し、個別化医療を推進する数少ない日本企業の一つです。今後も最新の研究成果をもとに、医療の現場での実用化を促進していく所存です。詳しい情報は、公式ウェブサイトをご覧ください。