STマイクロエレクトロニクスが新たに発表したリファレンス設計ボード
STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は、生活家電や工業用ドライバ市場向けに、最先端のGaN(窒化ガリウム)技術を用いた新たなモータ制御用リファレンス設計ボード「EVSTDRVG611MC」を発表しました。このボードは、ヒートシンクなしでも600Wを超える電力を駆動できる能力を持ち、家電や産業機器の小型化と開発コストの削減に寄与することが期待されています。
特徴と仕様
このリファレンス設計ボードは、「STDRIVEG611」GaNドライバICや、ディスクリートのGaNパワートランジスタ、さらに「STM32G431」マイクロコントローラを搭載しています。ターンキー・ボードとして設計されているため、電源を入れるだけで評価を始められるのが大きなポイントです。また、必要なBOM(部品表)や回路図、さらに2層基板のガーバファイルはSTのウェブサイトからダウンロード可能です。
高効率な電力変換
STのGaN HEMT(高電子移動度トランジスタ)とGaNドライバICは、電力変換を革命的に変える力を持っています。これらの技術は、充電器やアダプター、さらにはサーバの電源ユニット(PSU)などに導入されており、従来のシリコン技術からは考えられないほどの効率と電力密度を達成しています。
柔軟な運用範囲
EVSTDRVG611MCは、DC電源接続にて600W以上の動作が可能で、ヒートシンクを追加することによりその能力をさらに引き上げることができます。このため、洗濯機などの家庭用電化製品から、産業機器向けのサーボドライバや他のブラシレスDC(BLDC)モータアプリケーションに対応する設計が行えます。
高度な制御機能
ボードに搭載されているSTDRIVEG611ドライバは、サイズの小さいQFNパッケージ(5 x 4mm)を採用しており、STM32G431マイコンはArm® Cortex®-M4コアを持ちます。これにより、競争力のあるBOMを実現しつつ、高度な制御アルゴリズムを用いてリアルタイムで高精度な運転を可能にします。3つのアナログアンプは、センサ付きやセンサレスのベクトル制御(FOC)をサポートし、動作の滑らかさを向上させています。
開発支援ツール
ユーザは、STのモータ制御ワークベンチを利用して、EVSTDRVG611MCボードを迅速に評価し、アプリケーション機器の開発をスタートすることができます。このワークベンチには、新製品開発に必要なモータプロファイラや性能モニタなど便利なツールが含まれており、ファームウェアの自動生成機能によって、開発期間の短縮にも寄与します。
購入方法と価格
EVSTDRVG611MCはSTの販売代理店または公式eストアから購入可能で、価格は約125.06ドルとなっています。詳細はSTの公式ウェブサイトにて確認できます。
STマイクロエレクトロニクスについて
STは、約48,000人の従業員を擁する世界的な半導体メーカーです。包括的なサプライチェーンと最先端の製造設備を備え、顧客とパートナーと共に持続可能な社会のための半導体ソリューションを提供しています。また、2027年末までにカーボンニュートラルを達成すべく、再生可能エネルギーの100%利用を目指しています。