日本はアニメーション大国として、世界に誇る独自の文化を持っています。その中でも、人間がロボットを操縦する「搭乗型ロボット」が登場する作品は多く、特に近年のロボットエンターテインメントは注目を集めています。そんな中、MOVeLOT株式会社は、搭乗型ロボットを操る体験を提供する新たな企業として、2023年に設立されました。代表取締役 CEOの廣井健人氏にお話を伺い、同社の成り立ちやビジョンを探りました。
MOVeLOTの魅力とそのビジョン
MOVeLOTの名前は、「動く」を意味する“MOVE”と、ロボットの操縦士である“PILOT”を掛け合わせた造語です。業界で目指すのは、訪れた人々に感動を与えること。彼らは、ただロボットを操るだけでなく、その体験をストーリーにして提供することに目を向けています。
廣井氏によれば、世界的に見ても搭乗型ロボットに特化した企業は限られており、その多くが日本に存在しています。その中でMOVeLOTは、技術革新による収益化が期待される分野に進出。特にターゲット層の明確化が同社の強みです。
ロボット操縦体験の構造
MOVeLOTの拠点である「ROBOT BASE-00-」では、初めにVRシューティングゲームやライド式ロボットゲームを楽しむことができます。この前哨戦を経て、次に搭乗型ロボット『ASTRO』のコックピットに乗り込み、実際に敵を倒すという一連の流れは、参加者にとって非常に刺激的な体験です。全体の体験時間はおおよそ60分で、最大4人まで参加可能です。この体験を通じて、プレイヤーは自分が主人公になったかのような感覚を味わうことができます。
海外観光客からの支持
2023年の10月に営業を開始したMOVeLOTは、既に約30ヵ国から600名の外国人観光客を迎え入れています。主にインバウンド向けのビジネスを展開しており、チケットは海外のサイトで流通しています。SNSでも高評価を得ており、5つ星の評価を維持しているとのことです。その人気の秘密は、ただのロボット操縦ではなく、まさに物語を体験することにあります。
「パトラボ」での新たな挑戦
もう一つの体験拠点である「パトラボ」は、近未来SFアニメ『機動警察パトレイバー』に登場するロボット「イングラム」を操縦できる特別な場所です。ここでは、パイロットがセンサー付きの特殊なグローブを装着し、自らの体の動きを通じてイングラムを操るという斬新な体験が待っています。映画やアニメのファンにとって、この体験はまさに夢の実現です。2024年に本格的な運用を開始して今から注目が集まっています。
墨田区の地理的な利点
MOVeLOTが墨田区に拠点を構えた背景には、マーケットの大きさがあります。東京は圧倒的な顧客数を誇り、観光名所としても有名な場所が多くあります。特に「浅草寺」や「東京スカイツリー」の近くに位置し、観光客が訪れやすい地域であることが魅力的です。企業としての成長を支える環境が整っていることも、墨田区での事業展開にとって大きなアドバンテージとなっています。
未来へ向けた計画
廣井氏は、今後も新たなロボット体験の提供を目指して精力的に活動しています。特に『機動警察パトレイバー』にとどまらず、他のアニメ作品ともコラボレーションし、次世代の搭乗型ロボットを開発するビジョンを描いています。INとOUTの両方での消費者の体験を充実させるため、実績を積んでいます。先日は、シードラウンドでの資金調達も完了し、さらなる成長に向けた準備が進められています。
MOVeLOT株式会社は、ロボットを操縦するという夢を誰もが実現できる場を提供し続けることで、エンターテインメントの新たな地平を切り開いていくことでしょう。