積水ハウスが導入する「Welcome Home制度」
積水ハウス株式会社は、12月1日から新たに「Welcome Home制度」を始動することを発表しました。この制度は、同社を退職した社員、いわゆるアルムナイが再び同社で活躍できる機会を提供することを目的としています。働き方の多様化が進む中、この取り組みは企業全体の価値向上に寄与することが期待されています。
イノベーションから生まれた制度
「Welcome Home制度」は、全従業員が参加可能な創発型表彰制度「SHIP」から生まれたアイデアを基にしています。従来の退職者復職登録制度には、年齢や勤続年数、登録期間といった多くの制約が存在しましたが、新制度ではこれらの制約を撤廃。自己都合での退職者も登録できるようになり、幅広い層の退職者が再度積水ハウスに戻るチャンスを得ることができるのです。
アルムナイネットワークの創設
また、12月2日には「アルムナイネットワーク」という専用サイトもオープンします。このプラットフォームでは、退職者が積水ハウスの最新情報や求人情報、復職者のインタビュー記事などにアクセスできるほか、興味深いアルムナイ向けのイベントや交流の場も提供される予定です。これにより、退職者との関係性を継続的に深め、「退職で終わる関係」を超えた新たなつながりを強化することが目指されます。
人財戦略の核となる取り組み
積水ハウスグループは、「人財価値を高める」という理念を掲げ、従業員や組織をさらに強化し、社会や顧客に新たな価値を創出することを目指しています。同グループのグローバルビジョンである「『わが家』を世界一幸せな場所にする」を実現するためには、従業員が活躍できる環境を整えることが不可欠です。
2023年度から2025年度にかけての第6次中期経営計画では、キャリア自律支援、DE&Iの推進、多様な働き方の促進、幸せの基盤づくりという4つの重要なテーマが掲げられています。従業員の自律を支援し、組織の文化を進化させるための制度改革や施策が進められています。
SHIP制度の実績
「SHIP」は2021年にスタートした従業員が自らのアイデアを提案し、実績を称える創発型表彰制度です。未来のアイデアを提案する「イノベーション部門」と、過去の優れた業績を評価する「パフォーマンス部門」という二つの部門があり、参加者は年々増加しており、第3回までの応募件数は843件から1,713件へと急増しています。このような成功事例が、新たな取り組み「Welcome Home制度」にも期待を寄せる要因となっています。
結論
「Welcome Home制度」は、積水ハウスの新たな試みとして、退職した仲間との絆をより一層深めるものです。企業の多様な働き方や復職機会の拡大は、従業員一人ひとりが最大限の力を発揮できる環境を構築するための重要なステップであり、今後の展開に注目です。