JOGMEC森理事、TIME誌「気候変動に最も影響力のあるリーダー100人」選出
日本の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の理事であり、エネルギー事業本部長を務める森裕之氏が、アメリカの有力ニュース週刊誌TIME誌が選出した「2024年気候変動に最も影響力のあるリーダー100人」に名を連ねました。この栄誉ある選出は、JOGMECが主導するLNG(液化天然ガス)のメタン排出削減に向けた取り組み、CLEANイニシアティブの成果が国際的に高く評価された証です。
CLEANイニシアティブ:LNGバリューチェーンの変革
CLEANイニシアティブとは、LNGの生産から消費に至るバリューチェーン全体でのメタン排出量削減と、排出量に関する情報の透明性を確保することを目的とした国際的な取り組みです。JOGMECは、日本の電力会社JERA、韓国ガス公社KOGASと共に2023年にこのイニシアティブを立ち上げました。
当初は3社のみの参加でしたが、2024年10月に広島で開催されたLNG産消会議2024では、新たに22社が参加表明。わずか1年で大きく拡大し、世界的なムーブメントへと成長しつつあります。
JOGMECは、この会議で「CLEAN Annual Report 2024」を公表。これは、参加企業のメタン排出量や削減に向けた取り組みをまとめたもので、世界初の事業単位でのメタン排出量に関する情報公開という点で画期的です。この報告書は、LNGの生産者における先進的な削減技術や取り組みを広く共有し、消費者側がよりクリーンなLNGを選択できるよう、排出量の可視化を促進するものです。
森理事のリーダーシップと今後の展望
森理事のTIME誌選出は、JOGMECの取り組みが世界の脱炭素化に大きく貢献していることを示す大きな成果です。同氏は、CLEANイニシアティブの推進役として、産業界を巻き込み、国際的な連携を強化してきました。
TIME誌による選出は、5つのカテゴリー(巨人、触媒、革新者、指導者、守る者)から選抜され、森理事は「触媒(Catalysts)」分野に選出。これは、既存の枠組みやシステムに働きかけ、変化を促す存在として評価されたことを意味します。
JOGMECは、今後も生産者側の取り組み紹介、消費者への情報提供を通じて、クリーンなLNGへの競争力強化を図り、バリューチェーン全体のクリーン化に貢献していくと表明しています。森理事のリーダーシップの下、世界のエネルギー業界における脱炭素化への取り組みは、今後ますます加速していくと期待されます。
TIME誌選出の背景と今後の期待
TIME誌は、気候変動問題への影響力を評価する際、単なる公約や計画ではなく、測定可能な成果を重視しています。森理事の選出は、CLEANイニシアティブによる具体的な成果、そしてJOGMECの積極的な取り組み姿勢が評価された結果と言えるでしょう。
この選出を機に、日本のLNG排出削減への取り組みはさらに注目を集め、世界各国での同様のイニシアティブ促進に繋がる可能性も秘めています。今後のJOGMEC、そして森理事の活躍から目が離せません。