2025年度野菜の総括!
タキイ種苗株式会社が発表した「2025年度野菜の総括」の調査結果は、今年の野菜トレンドを知る上で非常に興味深いものとなっています。調査は全国の20~60代の男女400人を対象に行われ、今年で11回目となるこの調査では、さまざまなデータが示されています。
野菜摂取の現状とトレンド
2025年度に最も食べる機会が多かった野菜は、引き続き「キャベツ」(52.5%)と「玉ねぎ」(48.5%)が1位と2位を維持しています。これらの野菜は、昨年から変わらずトップの座につき、盤石な位置を築いています。また、トマト(41.5%)も4位にランクインし、4年連続でトップ5に入る結果となりました。特に今年はにんじんが8位から3位に浮上し、じゃがいもも5位に上昇するなど、定番野菜の人気が続いています。
野菜価格への意識の変化
一方で、野菜価格に対する意識は興味深い変化を見せています。73.3%の人が「野菜は高い」と感じており、2023年からの経年比較では減少傾向にあるものの、今年の5月と比べると8.6%の増加が見られました。この結果は、農林水産省のデータに裏付けられ、特定の野菜の価格上昇が影響していると考えられます。
特に「トマト」(41.8%)が、昨年に続いて値段が高いと感じる野菜として単独首位となり、キャベツは35.0%で順位を下げました。
野菜摂取量の減少傾向
摂取量については、2025年に「増えた」という回答が8.5%にとどまり、「減った」は17.5%でした。特に、「減った」と答えた人の67.1%は「野菜価格高騰のため」と回答しています。このデータから、価格の高騰が消費行動に影響を及ぼしていることが明らかです。
新たに注目される「指定野菜」
また、今年から注目が集まっているのが「ブロッコリー」の追加です。指定野菜とは消費量が多く、国民生活に欠かせない野菜とされ、2026年には「ブロッコリー」が新たに指定されることになっています。2025年には、ブロッコリーが食べる機会が多い野菜のランキングに入り、健康に良いとの印象がその人気を後押ししています。
しかし、指定の概念については一般の認知度が低く、全体の15%がその内容を理解しているという結果です。今後、これをどう広めていくかが課題となるでしょう。
フードロスと野菜の未来
さらに、タキイ種苗の調査データは、消費の減少に対する警鐘ともなります。若者や家庭での野菜消費が低下している現状に対し、ブロッコリーの人気が急増している背景には健康への関心が高まっていることがあります。料理のしやすさや栄養価の高さが、今後の選ばれる野菜としての地位を築く重要な要素となるでしょう。
まとめ
タキイ種苗の「2025年度野菜の総括」を通じて見えたのは、野菜の人気が根強い一方で、価格高騰の影響が健康への懸念を引き起こしていることです。特に、ブロッコリーの未来が楽しみであり、さらなる消費の促進が期待されます。これからの野菜の動向に注目していきたいところです。