2025年12月20日、愛知県豊田市で「交通安全フォーラム『安全安心に、生きる。地域と取り組むジコゼロ大作戦』」が開催されました。このイベントは、一般財団法人トヨタ・モビリティ基金(TMF)と豊田市が共同で実施したもので、交通事故死傷者ゼロを目指し、地域コミュニティがそれぞれの役割を果たすための場として設けられました。
フォーラムでは、自転車利用者やその周辺地域における交通安全確保の重要性が強調され、特に自転車の交通反則通告制度(青切符)の導入に関連した啓発活動が行われました。参加者はそれぞれの立場から事故削減への思いを共有し、有意義なディスカッションが展開されました。
特別講演では、爱媛県松山市在住の渡邉明弘氏がご自身の悲痛な体験を通じて自転車運転時のヘルメット着用の重要性について語りました。彼は、信号機のない横断歩道で命を奪われた息子の大地さんの話を交え、ドライバーや自転車利用者に対して危険の意識を高める必要性を訴えました。渡邉氏は「自転車に乗る時はヘルメットを必ず着用してほしい」と強く訴え、一人一人の行動が事故を減少させる鍵であると示しました。
続いて、石川県金沢市在住の三國成子氏が登壇しました。三國氏は、住民と行政が協力し、安全な交通環境を作る取り組みについて具体的な事例を共有しました。ヨーロッパでの経験を踏まえ、交通安全を確保するためには、利用者が安全に選べる環境が不可欠であることを強調しました。また、金沢市で進められている自転車・歩行者安全マップの作成や、地域住民との意見交換によって具現化された施策が、自転車事故の減少へと繋がっていることも述べました。
タテシナ会議分科会からは、交通安全に向けた最新技術やデータを活用した取り組みの紹介があり、特に若年層の自転車事故削減に向けた啓発活動の重要性が具体的に示されました。豊田市自身も地域内での交通安全施策や住民参加型の取り組みを強調し、全体の交通事故削減に向けて協力を求めました。
フォーラムの最後には、トヨタ自動車と地方公共団体が連携して進める自転車のヘルメット着用促進や、地域課題に基づく活動も紹介されました。このように、地域全体で事故防止に取り組む姿勢が見られる中、参加者はいずれも自分たちの活動が安全な交通社会の実現に繋がるという意識を強めました。
今後も、安全を守るために地域が一丸となって協力し、具体的な取り組みを進めることがますます重要になります。フォーラムで得た知識と経験を部外に持ち帰り、それを地域の交通安全活動に役立てていくことが期待されます。