Chatty Library(しゃべる図書館)の誕生
近年、社会の中で発達障害というテーマが大きく注目を集めています。その中でも、特にディスレクシア(読字障害)は教育分野において重要視されています。ディスレクシアの特性を持つ方々は、視力に問題はないものの、視覚情報の処理に難しさを抱えており、紙に書かれた文字を読むことが困難です。このような背景から、読むことが難しい人々が読書を楽しむための新たな支援サービスが求められてきました。
本日、そのニーズに応えるために「Chatty Library」が12月3日から9日の障害者週間に合わせて始まることが発表されました。サイエンス・アクセシビリティ・ネットは公益財団法人日本財団の支援を受け、デイジー図書に関連する多彩なサービスを提供するこのアクセシビリティ・プラットフォームを開発しました。
Chatty Libraryの主な特徴
Chatty Libraryには、さまざまな機能があります。その中でも特に注目すべき点を以下に挙げます。
1.
ブラウザのみでの利用
Chatty Libraryのデイジー図書は、特別な再生ソフトウェアなしでブラウザから直接利用可能です。これにより、技術的なハードルを無くし、誰でも簡単にアクセスできるようになっています。
2.
ユーザーによるアップロード
利用者自身が持っているデイジー図書をオンラインでアップロードして再生することができます。つまり、DAISYプレイヤーとしても機能し、手元の資料を気軽に活用することができます。
3.
PDFやテキストの自動デイジー化
読みたいPDFやテキストファイルをアップロードすると、自動的にデイジー化され、誰でも手軽に利用できます。これにより、広く一般の書籍や家庭での教材のデイジー化が進むことが期待されています。
4.
効率的なデイジー図書製作
教員やボランティアの方々がAIと共同してデイジー図書の製作を行えるプラットフォームを提供し、制作の効率化を図っています。これにより、より多くの教材が供給される仕組みを整えています。
Chatty Libraryは、ディスレクシアの方々だけでなく、視覚障害や肢体不自由な方々も登録することで利用可能です。2024年の1月にはWebサイトが利用開始予定とのことで、多くの人々に新たな読書体験を提供することが期待されています。
説明会の開催
新たなアクセシビリティ・プラットフォームのスタートにあたり、説明会が開催されます。詳細は以下の通りです:
- - 日時:2023年12月17日(日)13:30~14:50
- - 会場:国立京都国際会館(京都市左京区)
- - 主催:株式会社 atacLab
- - 関連リンク:ATACカンファレンス 2023
お問い合わせ先
特定非営利活動法人サイエンス・アクセシビリティ・ネットの連絡先は以下の通りです。
新たに立ち上がるChatty Libraryは、あらゆる人に読書の楽しみを提供し、さらに多様な学びの場を実現することで、社会全体のインクルーシブな環境作りに寄与していくことでしょう。