空き家活用を促進する新たな資金調達方法の提案
空き家問題は、日本の社会で深刻な状況になっています。近年、増え続ける空き家の影響は、地域の景観や衛生環境に悪影響を及ぼすことも懸念されており、特に2024年に公表された総務省の調査では、その数が約900万戸に達しました。これに対抗するために、株式会社オリエントコーポレーション(オリコ)、東急不動産ホールディングス株式会社、そして空き家活用株式会社(アキカツ)の3社が新たな取り組みを発表しました。
空き家問題へのアプローチ
現在、空き家が増加している背景には、団塊世代の高齢化や相続の問題があり、2040年には更なる空き家問題の深刻化が予想されています。一方で、空き家には新たな活用方法、具体的にはホームシェアリング(民泊)による有効活用が期待されています。訪日外国人の増加や生活様式の多様化により、シェアリングエコノミーの需要が高まる中で、これらの企業が協力して新しい金融商品を提供することになりました。
新たな金融商品「ホームシェアリングローン」
このたび、3社は『ホームシェアリングローン(有担保型)』を商品化しました。このローンは、空き家所有者が物件を購入したり、リフォームするための資金ニーズに応えることを目的としています。利用上限は1億円、最大20年の期間で提供され、金融機関が融資を実行し、オリコがその保証を行います。
目的と期待される効果
この施策により、空き家の流通と利活用が促進され、既存の空き家を減少させ、将来的な空き家の発生を抑制する一助となることが期待されています。特に、こうした再生された空き家は、Airbnbなどのプラットフォームに掲載され、観光業の振興につながる可能性も秘めています。地域の観光への貢献は、地方創生や経済の活性化に寄与するでしょう。
各社の役割と取り組み
オリコは地域金融機関との連携を強化し、事前保証を活用した資金提供を行います。また、アキカツは空き家物件のデータベースを維持し、東急不動産は自身が提供するサービス「ReINN」との連携を強化していきます。今後は、これらの取り組みを通じて、ホームシェアリングの支援に関するワンストップサービスの提供を目指すとしています。
「ReINN」とは
ReINNは、東急不動産ホールディングスの社内ベンチャーとして位置づけられ、民泊運営に関するさまざまなサポートを提供するプラットフォームです。物件選定から運営、売却に至るまで、あらゆる面でサポートし、オーナーにとっての負担を軽減することを目指しています。
将来へのビジョン
この新しい取り組みが成功することで、空き家問題の解決だけでなく、地域の活性化にもつながります。各社は、自社のリソースを最大限に活用し、日本全体の宿泊市場における新しい価値を見出すことに注力していくとしています。今後の彼らの取り組みが、どのように地域社会や不動産市場に影響を与えていくのか注目が集まります。