新ファジングテストツール
2025-01-21 11:28:26

車載ソフトの安全性向上を目指す新ファジングテストツールの提供開始

非常に期待の新ツール『AutoCrypt Security Fuzzer』



株式会社日立ソリューションズは、韓国のAutocryptと提携し、車載ソフトウェア開発に特化したファジングテストツール『AutoCrypt Security Fuzzer』を1月22日より国内初めて提供開始します。このツールは、サイバー攻撃のリスクが増大する中、自動車のセキュリティ対策を強化するために欠かせないものとなるでしょう。

自動車業界のニーズの背景



近年、自動車業界において自動運転や電気自動車の進展が見られ、車載ソフトウェアの複雑化が進んでいます。特にSDV(Software Defined Vehicle)の普及に伴い、自動車の機能や仕様がソフトウェアによってコントロールされるようになっています。これにより、外部からのサイバー攻撃の危険性が高まり、予期せぬ問題が発生するリスクが増加しています。

特に、コネクテッドカーに対するサイバー攻撃の例として、100万台以上のリコールにつながった事例もあります。こうした背景からも、サイバーセキュリティ対策の重要性が一段と増していると言えます。

ファジングテストの重要性と『AutoCrypt Security Fuzzer』の機能



サイバー攻撃は、多様なデータパターンを用いて行われるため、従来のテスト手法だけでは不十分です。ファジングテストは、問題の原因となる可能性のある入力値を大量に生成し、システムへの応答を監視することで脆弱性を発見します。しかし、これには専門知識が要求され、膨大なテストケースの自動生成が求められます。

『AutoCrypt Security Fuzzer』は、テスト対象となるECU(Electronic Control Unit)や通信プロトコルに基づいて高精度なテストケースを自動生成し、業界のニーズに応えます。ISO14229-1:2020に準拠したUDS(Unified Diagnostic Services)の全26個のSID(Service Identifier)をサポートし、スキャン結果に基づいて最適なテストケースを生成します。これにより、従来の手動作業による負担を軽減し、効率的なテストが実現します。

さらに、このツールは複数のECUに対してもテストを連続的に実施することが可能で、実行中に異常が発生した場合でも自動的にリセットを行い、テストを継続できる特性があります。このプロセスの自動化により、開発者はより多くの時間を新たな機能開発に充てることができます。

レポート機能でわかりやすい結果を提供



テストの結果は、重要な情報をグラフ化し、一目で分かる形でレポートとして出力します。この機能により、膨大なテスト結果を効率的に確認し、必要な再テストを迅速に実施できます。これも『AutoCrypt Security Fuzzer』の大きな利点です。

日立ソリューションズの取り組み



日立ソリューションズは、自動車のサイバーセキュリティ対策をワンストップで支援する「自動車サイバーセキュリティソリューション」を提供しています。この新しいテストツールの導入により、より安全で品質の高いサービスを提供し、自動車業界の安全性向上に貢献していく狙いです。

今後の展望



この新たなツールは、主要な自動車メーカーやサプライヤーに導入されており、SDV化の進展に伴う課題解決に寄与しています。自動車業界が直面する様々な危険要因に対抗するため、今後も日立ソリューションズは安全で信頼性の高い技術基盤の構築に努めていくでしょう。2025年には東京ビッグサイトで開催される「オートモーティブ ワールド2025」での出展も予定されています。

自動車とテクノロジーの融合が進む現代において、ソフトウェアのサイバー攻撃からの防御を整えることは、より安全で快適な走行につながることを期待しています。


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会社情報

会社名
株式会社日立ソリューションズ
住所
東京都品川区東品川4ー12ー7日立ソリューションズタワー
電話番号
03-5780-2111

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