鳥羽商船高等専門学校が二冠達成!
三重県鳥羽市に位置する鳥羽商船高等専門学校が、今年度の第13回高校・高専気象観測機器コンテストで輝かしい成果を収めました。このコンテストは、高校生と高等専門学校生を対象に、独自の観測機器アイデアを競うもので、一般社団法人WNI気象文化創造センターが主催しています。
2023年12月22日、今回は千葉県船橋市の南極観測船SHIRASE5002の特設会場で行われた最終選考において、鳥羽商船高専の学生チームが見事、代表理事特別賞と観客賞という2つの賞を受賞しました。これらの受賞は、彼らの創造力と技術力の結晶と言えるでしょう。
代表理事特別賞受賞作品:ももナビ
まず、代表理事特別賞を獲得したのは、情報機械システム工学科のチームが開発したスマートフォンアプリ『ももナビ』です。このアプリは、ユーザーが桃を撮影するだけで糖度を推定できるという画期的な仕組みを持っています。画像処理技術や機械学習を活用し、撮影した桃の明るさやサイズを分析して糖度を算出します。これにより、高度な測定機器が必要なく、手軽に利用できるところが評価されました。
チームのリーダーである服部礼さんは、「『ももナビ』を使って、農業に貢献できる可能性を実感しました。今後も技術を通じて社会に役立つ取り組みを続けたいです」と意気込みを語りました。アプリは桃の収穫期に合わせて実証実験を行う予定です。
観客賞受賞作品:よりどりお天気
次に観客賞を受賞したのは『よりどりお天気』というシステムです。この作品は、農地における鳥獣被害を防ぐために開発されました。AIとカメラ技術を活用し、鳥獣を検知して農家にリアルタイムで通知し、また自動で追い払う仕組みを持っています。更に、気象データを分析することで被害の予測も行うため、農家の負担軽減を図ります。
チームリーダーは、開発の過程で様々な困難がありましたが、メンバーの連携があったからこそ、良い結果に結びついたと振り返ります。今後は、実証実験のデータを蓄積し、さらに進化させていく予定です。
鳥羽商船高等専門学校とは
鳥羽商船高等専門学校は、日本で最も歴史のある商船系の高等専門学校で、明治8年に設立されて以来、商船学科と情報機械システム工学科の2種類の学科を有しています。科学技術を学ぶことで、地域社会や国際社会で活躍できる人材を育成することを目指しています。
戦後、先端技術を駆使した教育が行われ、近年は特にIT技術の発展に伴う新しい分野にも挑戦し眠れない可能性を模索しています。
公式ウェブサイトには、さらなる情報が掲載されていますので、興味のある方はぜひ訪れてみてください。
あなたの学校や地域が誇る未来の技術者たちの活躍を、今後とも見守っていきたいと思います。