浜松ホトニクス株式会社は、新たな光トランシーバ「P16548-01AT」を開発し、空間でのデータ通信を高効率で実現しました。この製品は、光送信機と光受信機を一体化した構造を持ち、対向配置することで最大1.25Gbpsの全二重双方向通信を行います。最長100mmの距離での通信が可能であり、回転する機械や静止しているデバイスの間でのデータ伝送にも適しています。この非接触型トランシーバは、現在広く使用されている接触式スリップリングの課題を解決します。
より具体的には、スリップリングによる通信は、機械的な接触部分の摩耗やノイズの影響を受けるため、信号の品質が劣化しやすいという問題がありました。浜松ホトニクスの新製品は、光空間伝送技術を使用しており、これにより接触による摩耗がなく、安定したデータ通信を提供します。
この新型トランシーバは、特に産業機器やロボットアーム、全方位カメラといった応用分野において、その性能をフルに発揮します。通信品質の向上とともに、ケーブルが不要なため、配線の煩わしさを排除し、効率的な設計が可能です。さらに、発光素子に垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)を用い、温度補正機能を備えたVCSELドライバと合わせることで、安定した通信を実現しています。
プロジェクトは2024年10月1日からサンプル提供が開始される予定で、サンプル価格は税込みで2,640円と手頃です。見込みでは、初年度に25,000台の販売を目指し、3年後には500,000台の販売を見込んでいます。
この光トランシーバは、以下の主要な特長を持っています。まず、光空間伝送を利用した全二重双方向通信を実現しており、電気的隔離が必要な場合でも複雑な光学系を必要とせず、高速なデジタルデータ通信が可能です。次に、コンパクトなパッケージのおかげで、回転機構内でも容易に設置できます。最後に、接触式スリップリングの欠点を克服することで、安定したデータ通信を保障します。
今後は市場のニーズに応じて製品ラインナップを充実させ、一層の技術革新を目指していくとのことです。この新たな技術が、通信の未来をどのように変えていくのか、その可能性に期待が寄せられています。詳しい情報は、公式ウェブサイトやリリースページで確認できます。浜松ホトニクスは、光通信技術分野でのリーダーを目指して、さらなる挑戦を続けていくでしょう。