次世代空調制御による省エネの実証
ダイキン工業株式会社と国立大学法人大阪大学は、脱炭素社会を目指す中、省エネルギーと快適性の両立を追求する「スイッチレス空調」の実証実験を行いました。対象は、株式会社アイティフォーが入居する一番町東急ビル(東京都千代田区)で、実験結果は驚異的な年間24.6%の省エネ効果を確認しました。特に暖房期間中は、52.1%も削減できたという結果が得られています。
省エネと快適性の両立
近年、オフィスビルの消費電力削減が急務となっており、多くの建物では過剰な温度設定や退室時の電源オフ忘れなどにより、エネルギーが無駄に消費されています。そこで注目されるのが「スイッチレス空調」です。このシステムは、温湿度やCO₂濃度をワイヤレスセンサーで常時監視し、エッジサーバがリアルタイムで空調を最適化します。これにより、居住者が手動で操作しなくても快適な環境が保たれ、省エネルギーが可能になるのです。
実証実験の概要
実証実験は、2025年1月から同年12月までの1年間にわたり、約500平方メートルのフロアを対象に行われました。ダイキンと大阪大学が共同研究を行う「スイッチレス空調」を導入し、実際の商業ビルでの運用による効果を検証しました。これにより、空調・換気の消費電力量を大幅に削減できたことが確認され、特に暖房時の効果が顕著でした。
具体的な制御機能
本実証で使用される制御機能には、次のようなものがあります。
- - 省エネ予冷・予熱制御: データに基づき、従業員が出社する前に冷暖房を自動で調整し、無駄なエネルギー消費を防止します。
- - 室内機ファン動力低減制御: 室内センサーからのデータをもとに、必要最低限の室内機のみを稼働させてエネルギーを節約します。
- - CO₂換気量制御: 室内のCO₂濃度に応じて最適な換気量を調整し、余計な運転を抑制します。
- - 低負荷時最適運転制御: 低効率運転を避けるため、特定の条件下での運転を最適化します。
これらの機能が有機的に連動することで、空調の効率を最大化し、快適な環境を作り出すのです。
実験結果と今後の展望
この実証実験の結果、年間消費電力量が24.6%削減されることが確認され、特に暖房期間では52.1%の削減が達成されました。また、室内環境についても十分な快適性が維持されていたことが確認され、入居者からも高評価を得ています。
今後、この「スイッチレス空調」の技術をダイキンのソリューションに取り入れ、さらなる普及を目指していく考えです。また、既存のビルを対象にしたZEB(Net Zero Energy Building: ゼロエネルギービル)の改修も進めることで、脱炭素社会に向けた取り組みを強化していく予定です。
まとめ
ダイキン工業と大阪大学が共同で進めている「スイッチレス空調」の実証実験は、未来の省エネオフィスの形を示すものです。エネルギーコストの削減だけでなく、快適な職場環境を実現することにより、企業の持続可能な発展にも寄与することが期待されます。今後も、この技術の発展に期待が寄せられています。