伝統工芸が生まれ変わる瞬間
日本の伝統的な絣技術が現代ファッションの中で新たな息吹を吹き込む。久留米絣は福岡県南部の筑後地方で受け継がれてきた手仕事の綿織物で、1957年に国の重要無形文化財に指定されるなど、歴史と高い芸術性で評価されてきた。しかし、時が過ぎる中で職人の数が減少し、生活様式の変化による需要の低下、若者の文化離れといった課題が浮き彫りになっている。
そんな中で、博多大丸が手掛ける「九州探検隊」プロジェクトと久留米絣の織元たちが手を組み、伝統の良さを広めるための新たな取り組みが始まりました。この度、関西で初めてのイベント「THE MONPE × HAORI」が開催され、久留米絣が空前のブームを迎えています。
MONPEとは何か?
「和製ジーンズ」とも称される「MONPE(もんぺ)」は、手括り藍染めの伝統技術によって丁寧に仕立てられたパンツです。元々は農作業着として利用されていたものが、今やファッションアイテムとして進化し、多くの人々に新たな人気を集めています。独自の風合いがあり、使い込むほどに柔らかく、体に馴染んでいく感覚が特徴です。
今回のイベントには、4社の織元から1,000本以上のMONPEが集結し、多彩な色柄、シルエットで訪れる人々を楽しませます。
これからの季節にぴったりなHAORI
続いて紹介するのが、「HAORI(羽織)」という新しいファッションアイテムです。こだわり抜いた染色と織りによって生み出された生地は、現代のスタイルに自然に溶け込み、日々のコーディネートに洗練されたアクセントを提供します。これから暖かくなる季節にぴったりのアイテムとして多くの注目を集めています。
織元たちの魅力
丸亀絣織物
明治元年から続く歴史ある丸亀絣織物は、約160年の間、久留米絣を織り続けてきました。手仕事のこだわりを大切に、ユニークなデザインの色や柄を用いた製品を展開しています。
坂田織物
坂田織物は「かすりを身近にする」を企業理念に掲げており、従来の技術を守りながら、現代のニーズに応える多彩な商品を提案しています。カラフルで独特なデザインも魅力の一つです。
野村織物
明治31年に創業した野村織物は、4代にわたり「絣を織ってなんぼ」というポリシーを保持しつつ、懐かしさと新しさのバランスを取る製品を生み出しています。
池田絣工房
大正8年に設立された池田絣工房は、天然藍染と手織りに特化し、しっかりとした手仕事による丁寧なものづくりを継続中です。着心地が良く、着た時のラインにもこだわった製品は、多くのファンを惹きつけています。
新たな挑戦を浮き彫りに
このように、久留米絣を通じて伝統と革新が見事に融合したアイキャッチなイベントが開催され、文化を次世代につなげる新たな挑戦が進んでいます。この機会に、久留米絣の魅力に触れてみてはいかがでしょうか。