Dynagonが進める化学品流通における安全性の向上
東京都に本社を置く株式会社Dynagonは、化学品流通の安全規制対応を今まで以上に効率的に行うため、クラウドソフト「スマートSDS」の事業拡大を目的とした資金調達を実施しました。この資金は、主にプロダクトの開発や営業の採用に使用され、顧客支援体制の充実を図ります。
安全データシート(SDS)の重要性
化学品を扱う際には必ず必要とされるのが安全データシート(SDS)です。これは、化学品の販売時に提供される「取扱説明書」に相当し、健康や環境への危険性、関連する法律が記載されています。2024年には労働安全衛生法が改正される予定で、SDSの交付義務の対象物質が大幅に増える見込みです。このため、SDSの作成が求められる企業の負担は急激に増すことが期待されています。
革新的なSDS管理の必要性
新しい法令の下、多くの企業がSDSを新たに作成したり、改訂したりする必要が生まれています。化学品を購入する企業にとっても、管理すべきSDSの数が増え、最新の情報を常に把握することが求められ、業務のオペレーションに負担がかかりつつあります。さらに、厚生労働省からは、SDS提供の義務付けが発表されており、これに違反すると罰則が科されるため、従来通りの手動作業での対応は厳しくなっています。
スマートSDSの未来像
Dynagonは、製造業界の「作る人」と「使う人」の情報の断絶を解消し、安全性の確保と製品開発の両立をプロデュースされています。スマートSDSは、化学物質情報の整備やリスクアセスメントを迅速かつ正確に行う体制を整え、多くの企業のニーズに応えています。このクラウドソフトは、SDSの作成、改訂、管理を行えるシステムとして、特に化学品を開発・製造・販売する企業や、これを扱う企業の両方をサポートします。
スマートSDSの特徴
スマートSDSは、SDSの全プロセスを一括で処理することが可能です。SDSを提供する企業向けには、豊富なデータベースや法的情報をもとに専門知識不要でSDSを作成でき、そして既存のSDSをAI技術で解析することもできます。また、法改正の通知を受けた際には、改訂の必要があるSDSを迅速にリストアップし、改訂漏れを防ぐ機能も搭載されています。
一方、SDSを受け取る企業向けの機能では、受領したSDSのデジタル化やリスクアセスメントの実行が可能です。これにより、最新版のSDSが常に保管され、安心して情報を管理することができるようになります。
スマートSDSの導入実績
現在、スマートSDSメイクは国内の化学メーカー50社以上に採用され、大手企業でもその使用が始まっています。また、スマートSDSチェックも、自動車部品や精密機械部品を扱う大手製造業や、安全管理を担う機関で活用されています。
これからの展開
Dynagonでは、エンジニアや営業、カスタマーサポートなどの採用を強化しているとのことです。また、新しいオフィスを目黒駅近くに設け、従業員同士のコミュニケーションを促進する環境づくりにも注力しています。今後、さらに多くの企業がスマートSDSの恩恵を受けることが期待されています。
「化学品を取り扱う現場での安全性向上には、効率性と革新が必須です。Dynagonは、これからもその実現に向けた努力を続けていきます。」と坂本代表は強調しています。
今後、SDSにまつわる新たな技術革新が、化学品流通にどのような影響を与えるのか、ますます注目されるところです。