消防の新技術「FireDog」
2022-09-01 10:00:04
従来の1/10の時間で火災を検知する「FireDog」の技術とは
ダクト火災を救う新技術「FireDog」
火災の発生は、特に飲食業界において大きなリスクです。東京都内では、年間約40件のダクト火災が発生しており、その原因の多くは厨房での油やほこりの蓄積によるものです。ダクト火災は、厨房だけではなく、焼肉店や鍋物屋などの客席でも頻繁に起こる可能性が高まっています。このような状況を受け、「FireDog」と呼ばれる新しい火災検知システムが登場しました。
画期的な火災検知システム
「FireDog」は、従来の火災検知システムよりもはるかに優れた性能を持っています。従来のモデルでは、火災の初期段階を察知するのが困難だったため、状況が悪化してからの対応が余儀なくされていました。しかし、「FireDog」は温度センサとCOセンサを利用し、早期に火災を検知します。
このシステムは、2つの温度センサとCO濃度センサを設置し、それらの値を監視することにより、火災の進行を防ぐことができます。特に、温度変化が少ない初期段階においては、CO濃度が急速に変化するため、これを用いて短時間で火災を検知することが可能です。これにより、従来の1/10の時間で火災を意識することができます。火災が発生すれば、音と画面で通知されるため、迅速な対応が可能となります。
スタンドアロンからクラウドまで多様な運用形態
「FireDog」にはスタンドアロン版とクラウド版が用意されています。スタンドアロン版は、ネットワーク環境がない場所でも運用が可能なため、通信費用が発生せず、セキュリティ面でも安心です。一方、クラウド版はデータをオンラインで管理でき、遠隔操作が可能です。大規模な施設や複数店舗の運営においても便利性を発揮します。特に、大きな災害の際でも情報がクラウドに保存されているため、安心して利用できます。
実際に導入された現場
「FireDog」は早速、焼肉きんぐを運営する物語コーポレーションにテスト導入されました。今後は製造業など、さまざまな業種への導入が進む予定です。これによって、従業員やお客様の安全が確保され、快適な空間が提供されることでしょう。
MTLの理念と背景
「FireDog」を開発したのは、愛知県名古屋市に本社を置く株式会社MTLです。この会社は2010年に、クラウド型電力見える化装置の開発を始めました。2016年に法人化され、これまで10年以上にわたり、IoT機器の開発に注力してきました。特に火災検知システムに関しては、特許を取得しており、その技術力の高さは業界でも高く評価されています。
まとめ
火災は突然襲い掛かる危険なものであり、その早期発見が被害を最小限に抑えるためのカギです。「FireDog」は、最新の技術を駆使することで、その大きな課題に挑戦します。飲食業界だけでなく、あらゆる業種での導入が期待されるこのシステムの今後の展開に注目です。
会社情報
- 会社名
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株式会社MTL
- 住所
- 愛知県名古屋市南区堤町2丁目45番地
- 電話番号
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