シナモンAIが住友ファーマに新たな技術を提供
株式会社シナモン(シナモンAI)は、医薬品の研究開発を行う住友ファーマ株式会社に対し、高精度AI-OCR「Flax Scanner」を提供しました。この取り組みは、製薬業界の業務効率を大幅に改善することを狙いとしています。
フォーマットの多様性に対応
住友ファーマでは、入荷ラベルの確認作業を今まで目視で行っていました。さまざまなフォーマットのラベルが存在するため、データ入力や確認といった作業は手間がかかるものでした。このため、業務の効率が低下するという問題があったのです。
シナモンAIの提供する「Flax Scanner」は、撮影したラベルからAIが自動的に必要な情報を高精度で抽出します。これによって、従業員は目視での確認作業から解放され、ヒューマンエラーのリスクも低下しました。そして、抽出したデータをその場で製造実行システム(MES)と突合できるため、データの確認作業はこれまで自席で行っていたのを現場で実施することが可能になります。結果的に、業務フロー全体の効率が向上するのです。
DX推進への寄与
シナモンAIは、住友ファーマとの協力のもと、「Flax Scanner」の導入範囲の拡大を図る考えです。これにより、業務コストの削減やコア業務への人員集中が実現し、同社のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に寄与します。AIを活用することで、企業の価値向上が期待されるのです。
高精度のAI-OCR技術
シナモンの「Flax Scanner」は、あらゆるビジネスシーンにおけるフォーマットの書類からデータを読み取ることが可能です。他のAI-OCRはあらかじめ定義された座標に基づいた解析が主流ですが、「Flax Scanner」は特徴量学習型を採用しており、事前の座標定義が不要です。これにより、さまざまなフォーマットに適応できる強力なツールとなっています。
さらに、専門用語や難易度の高い画像からの情報抽出にも対応しており、国際的な学会でも高い評価を受けています。これにより、技術領域のIDP(Intelligent Document Processing=自動知識抽出技術)の分野でのリーダーシップを確立しています。
新たなプラットフォームの登場
また、「Flax Scanner」を手軽に業務利用できる汎用性の高いプラットフォーム「Flax Scanner HUB」も登場しました。このHUBでは、座標定義型、特徴量学習型、生成AI抽出型の異なるAIエンジンを搭載しており、読み取る難易度の高い非定型帳票からも高精度にデータを抽出することが可能です。ユーザーはこのプラットフォームを利用することで、多様な帳票を一括で効果的に活用できます。
会社情報と目指す未来
シナモンは2016年に設立され、東京都千代田区に本社を置く企業です。カスタマイズ可能なAIソリューションとAIコンサルティングを提供し、業界のデジタル化を支援しています。シナモンAIの目指すところは、「誰もが新しい未来を描くことができる創造的な世界の実現」であり、そのために様々な技術とノウハウを活用して、新たな価値を提供していく所存です。
このように、シナモンAIのAI-OCR「Flax Scanner」は、住友ファーマにおける業務効率化とデジタル化に大きく貢献すると期待されています。今後の展開が楽しみです。