空気質管理技術「Aero Health」の新たな展開
安藤ハザマとプルガティオ株式会社は、感染症抑制に寄与する新しい空気質管理技術「エアロヘルス」を共同で開発しました。この技術は、0.1マイクロメートル以下のナノ粒子を生成するミスト噴霧機器を用いて、空気中の浮遊ウイルスを99%以上除去する能力を持っています。これにより、居住空間におけるクラスター発生リスクの大幅な低減が期待されています。
技術開発の背景
新型コロナウイルスの影響で、さまざまな感染対策が求められる中、特に注目されているのが空間消毒の方法です。消毒剤の散布やパーティションの設置、さらにはエアロゾル感染対策として換気の重要性が重視されています。しかし、塩素系消毒剤を使用した場合の健康への影響や、建物内装資材に対するダメージは無視できない問題でした。そんな中、より安全で効果的な空間消毒技術として「Aero Health」が開発されました。
「Aero Health」の特長
この新しい技術の中心は、ナノ粒子ミスト噴霧機器です。具体的には、以下のように特徴付けられます。
1.
自動的に純水を生成: この装置は独自の水処理カートリッジを搭載しており、水道水を注ぐだけで純水を生成できます。これにより、従来の塩素系消毒剤を使用するよりも人体や内装材への影響が抑えられます。
2.
高速のミスト拡散: ナノ粒子はブラウン運動を利用して素早く広範囲に拡散します。約4分間で430立方メートルの空間にミストを広げることができ、短時間で効率的な感染症対策が可能です。
3.
結露抑制効果: 本技術の採用により、内装材への結露が抑制されることも実証されています。
さらに、安藤ハザマとプルガティオは独自のチャンバー試験装置を開発しました。JEMAの基準に準拠したこの試験装置により、浮遊ウイルス量の変化を正確に評価することが可能となります。これにより過剰な噴霧を避けつつ、ナノ粒子ミストを均等に拡散させ、感染症のリスクを効果的に軽減します。
検証結果
チャンバー試験装置での実験では、水道水と純水を用いたナノ粒子の噴霧結果、純水を使用した際にだけ高いウイルス除去率が確認されました。具体的には、試験開始から60分後に、浮遊ウイルスを99%以上除去することができたのです。
今後の展開
「Aero Health」は建築物向け設備機器への導入に向けて、更なる技術開発を進めていく予定です。この新たな技術によって、安全で快適な居住環境が実現され、さらなる感染症対策の進展が期待されます。
このように、「Aero Health」は単なる空気質管理技術以上のものであり、今後の感染症対策の新たなスタンダードとなる可能性を秘めています。