トリウム229のクエンチ機構
2026-01-24 22:34:24

岡山大学の共同研究が解き明かすトリウム229アイソマーのクエンチ機構とは

岡山大学の共同研究が解き明かすトリウム229アイソマーのクエンチ機構とは



近年、原子時計の精度向上が世界的な研究テーマとして注目を集めています。その中でも、岡山大学を中心とした共同研究チームが、トリウム229原子核の持つ特異な性質を利用して、さらなる進展を見せています。2026年1月に発表されたこの研究は、固体原子核時計に必要なクエンチ機構に関する理解を深め、高精度な時間計測の実現に寄与するものです。

クエンチ現象の理解



研究は、トリウム229アイソマーと呼ばれる励起状態が、X線照射によってどのように脱励起(クエンチ)するかに焦点を当てています。この現象の温度依存性を調査し、結晶の発光特性との相関を明らかにしました。具体的には、励起された電子が結晶中で拡散し、トリウム原子核と相互作用することでエネルギーの移動が発生し、クエンチが生じることが示されました。これにより、クエンチ機構モデルが構築され、物理的な過程が詳しく説明されています。

固体原子核時計の実現に向けて



岡山大学と高輝度光科学研究センター、京都大学、理化学研究所、大阪大学から成る国際共同研究グループは、先端的な放射光施設SPring-8を活用して、さらに高精度な原子核時計実現を目指しています。この新しい時計技術は、既存の原子時計と比較して小型で可搬性に優れ、将来的には衛星測位システムや基礎物理学の研究にも対応する可能性があります。

研究成果の背景



トリウム229原子核が持つ特異な励起状態は、これまでの原子時計技術では到達できなかった安定性を提供する可能性があります。このアイソマーは、特別な条件下でだけ存在し、レーザー光で直接励起することが可能です。これによって、より安定した時間標準の構築が期待されています。

研究者たちの思い



研究を進めてきたMing Guan大学院生と吉見彰洋准教授は、共同研究で感じた達成感と感謝の気持ちを語っています。「この瞬間は、私の一生の宝物です。岡大、ありがとう。」と、互いに協力し合った研究の日々が彼らにとって大変価値のあるものになったことを強調しました。

今後の展望



本研究は、原子核時計の実現に向けた重要なステップとして位置づけられています。今後の研究が、さらなる高精度の測定技術を国内外に提供し、基礎科学研究や社会実装において大きな影響を与えるものであると期待されています。国立大学の共同研究チームは、引き続きこの研究を進めていくことで、多くの分野における革新に貢献し続けることでしょう。


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会社情報

会社名
国立大学法人岡山大学
住所
岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス本部棟
電話番号
086-252-1111

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