2025年度新入社員調査で明らかになった安定志向と成長への期待

2025年度新入社員の会社生活調査結果

産業能率大学総合研究所が実施する毎年恒例の「新入社員の会社生活調査」の結果が発表されました。2025年度に就職した新入社員を対象としたこの調査は、働く意欲や社会人としての心構え、将来の目標についての意識を探るものであり、今年で36回目を迎えます。

年功序列を望む新入社員の増加

特に注目すべきは、年功序列を望む新入社員の割合が、過去最高の56.3％に達したことです。従来は成果主義を希望する回答が多数を占めていましたが、今回の調査では初めて年功序列が過半数を超えました。この結果は、若い世代の間で安定した労働環境を求める声が強まっていることを示唆しています。

- 具体的には、年功序列を望む割合が14.6％、また「どちらかといえば年功序列」という回答が41.7％を占めており、これらを合わせた数値は非常に高いものとなっています。昨年までは38.9％だった年功序列志向が、今年は56.3％に達したことに驚きの声が上がります。さらに、終身雇用を望む割合も69.4％に達しており、長期的な安定を重要視する傾向が強まっています。

成長を意欲する新入社員

ただし、新入社員が求めるのは単に安定した環境だけではありません。働く上で理想とする環境について尋ねたところ、「仕事はそこそこ大変だが、成長を実感できる環境」が58.8％に達し、成長の機会を重視していることが明らかになりました。これは、チャレンジを通じて自らのスキルを高めたいという意欲の表れです。

新入社員が期待する上司像

また、上司や先輩に対する期待も明らかになりました。「実践前にやり方や手順を細かく教えてほしい」との回答が66.7％を占め、細やかな指導を求める声が多いことが目立ちました。一方で、平等な接し方や良い仕事をした際の褒める行為についても期待されており、デジタル時代の人間関係におけるマナーの重要性が反映されています。

満足度と残業の意向

調査では、就職活動に対する満足度が96.5％に達したことも注目されます。これまでの結果と比較しても極めて高い数値で、2025年度の新入社員たちが自分のキャリアに対してポジティブな意見を持っていることが示されています。また、60歳以上まで会社勤めを希望する人の割合が86.2％となるなど、長期的なキャリア形成への意識も高まっています。

まとめ

2025年度の新入社員の調査結果は、年功序列や終身雇用を望む声が高まる一方で、成長を求める姿勢も併せ持つことを示しています。彼らの安定志向と成長への期待は、今後の企業戦略や人事制度のあり方に重要な影響を与えることが予想されます。詳細な調査内容は、産業能率大学総合研究所の公式Webサイトにて公開されています。