スマホ回収でゴリラを救う
日本国内の動物園で実施されるユニークな取り組みが注目されています。認定NPO法人テラ・ルネッサンスと安田産業株式会社が協力し、不要になったスマートフォンや携帯電話を回収する「ケータイ for コンゴ」プロジェクトが始まりました。このプロジェクトでは、使用済みの携帯電話1台ごとに30円が、コンゴでの支援活動に使用される仕組みです。
ギャップを埋める取り組み
この取り組みは、コンゴ民主共和国における紛争鉱物問題の解決に寄与するだけでなく、ゴリラの保全にも繋がります。テラ・ルネッサンスは、特に紛争地域で影響を受けた人々に対する自立支援を行っており、スマホの回収によって得られた資金を通じて、さらなるサポートを展開しています。
実際、2023年度には全国4か所の動物園で2,272台のスマホが回収されました。この結果、テレビや新聞などの媒体でも大きな反響を呼んでおり、幅広い関心を集めています。
コンゴの現状とゴリラの未来
コンゴでは、1998年以降の紛争で540万人以上が命を落としており、その根本にはレアメタルを巡る権益争いがあります。その影響は、現地住民だけでなく、ゴリラをはじめとした動物たちにも及んでいます。このため、テラ・ルネッサンスは、スマホ回収を通して得た資金で、現地の人々の職業訓練を行い、生活の改善を図っています。
伊藤理事は「支援活動は、ただの物質的な援助にとどまらず、すべての生命に対する平和構築への第一歩である」と語ります。彼らは、鉱物採掘に関わる全ての業界が、自らの行動に意識を持ち、変化をもたらすことを願っています。
各地の回収活動
2024年9月からは、さらに多くの動物園でスマホ回収ボックスが設置される予定です。以下は、回収が行われる動物園とその実施期間です。
- - 上野動物園 2024年9月18日~12月28日
- - 千葉市動物公園 2024年9月19日~常設
- - 日本モンキーセンター 2024年9月19日~常設
- - 京都市動物園 2024年9月22日~常設
これらの活動により、今年度の回収実績は上野動物園で222台、千葉で460台、日本モンキーセンターで95台、そして京都市動物園で1,053台に達しました。回収活動の成果が今後も続くことが期待されています。
お問い合わせ
テラ・ルネッサンスでは、今回のプロジェクトに関する取材や問い合わせも受け付けています。詳しくは、公式ウェブサイトや電話でのお問い合せをお勧めいたします。
私たちの生活に密接に関連するテクノロジーの裏にある問題を知ることで、環境への配慮や他者への支援を考えるきっかけとなることでしょう。スマホ回収がゴリラの未来やコンゴの人々の生活にどのように貢献できるのか、引き続き注目してまいります。