本日、清流劇場が新たな舞台『ヘカベ、海を渡る』を開幕しました。この作品は、ギリシア悲劇の三大詩人、エウリピデスによる古典的な物語『ヘカベ』を原作とし、大阪弁で表現されるユニークな試みです。舞台は、紀元前1200年頃のトロイア戦争の後、戦火にまみれた人々の描写を通じて、復讐とその悲劇を描き出します。
原作の『ヘカベ』は、被害者が加害者に変わる様子を描き、二面性の重要性を示しています。この作品を観ることで、現代社会における人間の変容や、戦争がもたらす悲劇を感じ取ることができるでしょう。演出家の田中孝弥氏は、破壊された家屋や煙、泣き叫ぶ子どもたちの姿を描写しつつ、その情景が今も変わらないことを訴えています。愛しき人を失った悲しみや怒りは、3200年前の戦争でも現代でも共通して存在し、復讐の連鎖が続いていると語ります。
今回の舞台は、オリジナルソングを交えた大阪弁の台詞で進行されるため、観客は新鮮な感覚を味わいながら、ギリシア悲劇を楽しむことができます。伝統的な悲劇に現代の視点を持ち込むことで、より深い理解と共感を生むことでしょう。この作品を通じて、復讐の連鎖を断ち切るための考察をすることができると期待されています。
公演は、大阪と東京の二カ所で行われます。大阪公演では、一心寺シアター倶楽にて、10月3日から6日までの間に開催。東京公演は、上野ストアハウスで10月11日から14日まで予定されています。
それぞれの公演において、開演45分前から受け付けが開始され、開演の30分前には会場が開きます。各回の上演前には、田中孝弥による《ビフォアトーク》が行われ、作品についての理解を深める貴重な時間がもたらされます。また、終演後にはアフタートークも予定されており、パネラーや司会との対話を通して、さらなる意見や感想が交わされることでしょう。
チケットは、前売券が4500円、当日券は4800円となっており、様々な割引券も用意されています。特に、22歳以下の方対象のU-22券や、65歳以上の方対象のシニア券がとてもお得です。全席指定で、税込価格ですので、安心してご購入いただけます。
この舞台の上演を通じて、観客は復讐の冷酷な連鎖を考えさせられ、さらにはその連鎖を断ち切るための方法を見出す機会となることでしょう。ギリシア悲劇の古典的なテーマを、新しい形でどう表現するのか、ぜひその目で確かめてください。