多気町の公共交通計画
2024-10-04 11:57:31

EY Japanが三重県多気町の公共交通計画を支援、住民の移動ニーズに応える新たなアプローチ

三重県多気町における公共交通計画の策定業務が、EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(EYSC)によって進められています。この取り組みは2025年3月末まで続き、多気町における公共交通や住民の移動に関連するデータを収集・分析することを目的としています。

多気町は中山間地に位置し、約1万3千人が住む小規模な町で、34.1%という高い高齢化比率を抱えています。このため、住民の移動手段は主に自家用車に依存しているのが現状です。しかし、免許返納といった影響で、高齢者の中には移動が難しくなっている方もおり、過去に一部バス路線を再開した試みも利用者の増加には繋がっていないのが実情です。

そこで、EYSCは住民の声を直接聞くため、地域の自治会との座談会や個々の住民へのインタビューを実施し、子育て世代と高齢者の移動に関する要望や生活スタイルを把握してきました。特にシニア層からは、用事をまとめて外出する傾向が見られましたが、実際には郊外の一般的なシニア層に比べ、買い物を我慢している回数が倍以上に上っていることがわかりました。

その情報をもとに、EYSCは多気町における新しい地域交通計画の策定を進めています。これには、定量データに基づく交通手段の利用状況や交通課題の整理、数値目標の設定などが含まれます。また、住民同士のつながりを促進し、潜在的な移動需要を引き出す中長期的な施策も検討されます。

この取り組みは、EYSCが目指す「誰もが、いつでもどこでも便利で快適に暮らせる新しい社会」の構築に向けた一例です。同社は、日本の伝統的な文化や価値観とデジタル技術を融合させ、地域創生や経済圏の活性化に寄与することを重視しています。EYSCの担当者である小池雄一氏は、特に中山間地域の高齢化により公共交通の維持が困難な状況にあることを指摘し、住民の潜在的なニーズに注目しながら、今後の交通施策を進めていく意義を強調しています。

EYでは、こうしたデータ分析と政策提言を通じて、官民一体の取り組みを推進し、地域の生活の質の向上と持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。

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