AIを駆使した新しい建設契約管理の形
2025年7月10日、東京に本社を置くリーガルテック株式会社が新たにリリースした「リーガルテックVDR」は、建設業界向けに特化したバーチャルデータルームです。この新機能の最大の特徴は、独自開発の生成AI『AI孔明』を統合している点にあります。これにより、建設・インフラ業界が抱える複雑な契約管理や安全・法規の対応を大幅に効率化するとともに、リスクの抽出を自動で行うことが可能になります。
1. 建設業界の現場課題
建設・インフラ業界では、日々多種多様な文書業務が発生しています。特に、合同会社(JV)や協力会社との複雑な契約管理、工事の進捗、品質管理、安全報告、そして各種法令への対応など、各種データが山のように蓄積されていきます。
このような背景の中で、以下のような識別が求められます:
- - 契約や工程、品質や安全情報を大量に管理するうえでのリスク
- - 「元請け・JVは全体、下請けは特定工区のみ」などの細かな権限分離
- - 誰がどの文書を見て、何をダウンロードしたかの明確化
- - コンプライアンス違反時の証拠提出や監査・是正報告の煩雑さ
これらの課題を解決するために、リーガルテックVDRが登場しました。
2. リーガルテックVDRの解決策
リーガルテックVDRの最大の強みは、アクセス権限を詳細に設定できる点です。これにより、JV、下請け、行政ごとの情報へのアクセスを完全にコントロールすることが可能になります。全てのファイルの閲覧履歴やダウンロード、変更の操作証跡も自動で記録され、監査の際には証明が瞬時に行えます。
また、バージョン管理なども一元化されており、最新ファイルの周知も簡単で、多様な文書に対するAIによる自動要約やタグ付けも実施されます。これにより、進捗や事故の傾向分析、西、監査レポートの自動生成などに強力に活用できるのです。
3. AI孔明の活用シーン
この新機能は、建設業界の様々な業務領域で活用されています。
- - 契約・JV管理: 元請け・下請け・JV契約書のAIレビュー、細かな権限設定とログ記録。これにより、コンプライアンス違反リスクが低減し、契約交渉の効率化が可能です。
- - 工事・品質記録管理: AIによる施工記録や検査報告書の要約、問題点の抽出。品質向上やナレッジ共有が促進されます。
- - 安全・事故・労務管理: 安全パトロールや事故報告のAI解析。労災予防や安全文化の徹底を強化。
- - 法令・行政対応: 各種ガイドラインや通知の要点を抽出し、現場への情報展開がスムーズに。法令遵守の強化が図られます。
- - 調達・資材管理: 資材調達契約のAI分析、ESGリスクへの対応。
4. 主な機能概要
「リーガルテックVDR」は、セキュアなVDR機能を提供し、フォルダやファイル単位でのアクセス制御や証跡ログ、全文検索、暗号化通信など、厳重なセキュリティを確保しています。また、AI孔明によるチャット機能で自動要約やリスク抽出が可能で、多様な工事記録の分析やレポート生成も実現しています。
5. 今後の展望
今後は、BIM(ビルディングインフォメーションモデリング)やCIM(シティインフォメーションモデリング)とのAPI連携、さらにはAIによる図面のリスク分析や現場写真の自動分類など、さらなる機能拡充を行っていく予定です。これにより、建設業界全体の業務変革をさらなる高みに導くことが期待されています。
6. 会社概要
最後に、リーガルテック株式会社についてですが、2021年に設立されたこの企業は、最先端AI技術を活用して様々なサービスを提供しています。 URLは
こちらです。現在、新たなソリューションを通じて、企業の知財戦略を強力に支援しています。