イスラエル・エアロスペース・インダストリーズとSixAIの提携
2021年11月8日、イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ(IAI)社とSixAI社が防衛技術の民間利用の促進に向けた新たな提携を発表しました。この共同事業は、IAIの高度な防衛関連技術を民間のニーズに応じて活用し、ビジネス機会の拡大を狙うものです。双方はそれぞれの役割を分担し、IAIが技術開発を担当し、SixAIがこれらの技術の商業化を進めていく計画です。
重点分野
今回の提携において、IAIとSixAIは特に以下の3つの分野に重点を置いています。
1. グリーンエネルギー
エネルギーの生産、利用、保存に関する技術の開発を進めており、持続可能な社会の実現に向けた貢献を目指しています。
2. インダストリー4.0
製造業におけるデジタル化やオートメーションの推進を図ります。
- - マシンツーマシン(M2M)での最適化
- - 生産ラインの自動化とIoT技術の導入
- - インテリジェントマシンによる自動問題解決
3. 商業用ドローンの運用
都市環境でのドローン制御技術や操縦者の訓練に関連したサービスを展開。
期待される効果
IAIのCEOであるボアズ・レヴィ氏は、「この提携には大きな期待を寄せています。私たちの持つ防衛技術はこれまで国防に不可欠な役割を担ってきましたが、これからは民間市場でも活かされることが重要です」と語っています。一方、SixAIの創業者ラン・ポリアキネ氏は、技術移転の重要性を強調し、日本市場への影響に期待を寄せました。「IAIのデュアルユース技術は、日本を含む世界中の産業に革新をもたらすでしょう」と述べています。
日本との関係
駐日イスラエル大使館からもこの提携に対する意義が語られています。次期駐日イスラエル大使のギラッド・コーエン氏は、日本とイスラエルの国交樹立70周年に際し、この提携が両国の関係を一層深化させる要因になると期待しています。
経済担当公使のダニエル・コルバル氏も、「グリーンエネルギーとインダストリー4.0分野における技術提携は、日本とイスラエルの間の最先端技術開発の重要な一歩です」と述べ、今後の成果に期待を寄せています。
企業の背景
IAI社は、1953年に設立され、航空・防衛分野で世界をリードする企業として知られています。防衛技術だけでなく、サイバーセキュリティ分野にも進出し、様々な最先端技術を展開しています。一方、SixAI社は、インダストリー4.0に特化した技術開発を行う企業で、既に多くのプロジェクトを日本市場で進めています。
この新たな取り組みが防衛技術の民間利用においてどのような成果を上げるか、今後の動向に注目です。