シルクの可能性を引き出すながすな繭株式会社が資金調達を実施
京都府京丹後市に本社を置くながすな繭株式会社は、持続可能な社会の実現を目指し、シルク素材に根付く独自技術を活用しています。この度、同社はシリーズBラウンドにおいて1.7億円の資金調達を成功させました。リードインベスターには既存のRheosCP1号投資事業有限責任組合とライトアップベンチャーズ1号投資事業有限責任組合が名を連ね、新たに近鉄ベンチャーパートナーズと京銀輝く未来応援ファンドが参加しました。今回の資金調達は、シルクタンパクの加工技術と大規模養蚕のための設備投資、研究開発の加速を目指しています。
シルク素材の革新的な応用
ながすな繭は、シルクの持つ様々な特性を最大限に引き出し、新たな素材開発を行っています。近年、シルクは医療、美容、サプリメントなど多くの分野での応用が期待されています。特に、高齢化社会の進展による医療技術の向上と、天然由来成分への関心が高まる中、シルクの素材としてのポテンシャルが注目されています。さらには、日本の優れた養蚕技術と最新技術の融合により、養蚕業の生産性向上や新たな市場の開拓が期待されています。
例えば、シルクは創傷被覆材や再生医療の分野での研究が進んでおり、化粧品やヘアケア製品においてもその需要が増加しています。サプリメントでは、シルクパウダーやシルクペプチドを用いた製品開発が進んでおり、健康を意識する消費者に向けた市場が形成中です。
資金調達の目的と事業展開
今回調達した資金の用途は、シルクタンパクの加工技術の向上と大規模養蚕システムへの設備投資です。また、海外メーカーとの協業を進め、国際的な事業展開にも取り組んでいく方針です。代表取締役の堀井和輝氏は、京丹後市に根ざしたシルク産業を再興することを目指しており、地域の資源を活かしながら新たな価値を創造していくと強調しました。
投資家の期待
本ラウンドに参加した投資家たちは、ながすな繭の技術力と理念への期待を寄せています。レオス・キャピタルパートナーズの淡路努氏は、「シルクの可能性はアパレルから美容、医療、食品と多岐に渡っており、非常に大きな潜在市場が存在する」と指摘。ライトアップベンチャーズの中村忠嗣氏も、シルクのサステナビリティと技術の進展を強調し、今後の成長を期待しています。また、近鉄ベンチャーパートナーズの足高寛俊氏は、「古来のシルク提供の可能性と、開発した独自技術による社会貢献の姿勢に共感した」とコメントを寄せました。
さらなる成長に向けた取り組み
ながすな繭は、今回の資金調達を機に、経営管理や事業開発、生産・研究開発チームの強化を図ります。丹後地方が誇るシルクの技術を活かしながら、世界に挑戦する企業として成長していく意気込みを示しています。今後も、新たな市場展開と技術革新を通じて、持続可能な社会の実現に貢献できるよう努めていくことでしょう。
【会社概要】
- - 会社名:ながすな繭株式会社
- - 所在地:京都府京丹後市網野町網野363-1
- - 代表者:堀井和輝
- - 事業内容:シルクタンパク素材事業、受託加工、養蚕
- - 公式HP:ながすな繭