タスク・シフトによる医療の発展
2024年4月、医師の働き方改革が本格的に始まった。ここで注目されているのが「タスク・シフト/シェア」という概念だ。これは、医師が行っていた業務を他の医療専門職が担うことにより、医師の負担を軽減し、医療の質の向上を目指すものだ。特に北海道医療センターでは、臨床検査技師と医師が連携し、実際にどのような成果を上げているのか、院長の伊東学先生にお話を伺った。
タスク・シフト/シェアの実際
北海道医療センターでは、臨床検査技師が脊椎・脊髄手術中の検査を担当している。この検査、具体的には体性感覚誘発電位(SEP)や運動誘発電位(MEP)の計測を行うことで、手術中に神経への影響をリアルタイムでモニタリングすることができる。このような役割を臨床検査技師が果たすことで、医師は手術そのものに集中できるようになり、患者に対する医療サービスの質が向上する。
医療の質向上のために
タスク・シフトは単なる業務の肩代わりではなく、医療がますます専門化し、高度化する現代においては、医師だけではカバーできない分野において、各専門職が責任を持って対応することが重要である。北海道医療センターでは、医師と臨床検査技師が互いに対等な立場で役割を担い、自らスキルを高めていく姿勢が見られる。
コミュニケーションの重要性
タスク・シフトの成功には、スタッフ全員の意識改革が必要不可欠である。医療チームが一丸となって理想の医療を追求するためには、明確な目的の共有と、権限の委譲が重要だ。特に、患者の退院後の生活を見据えた医療を提供するためには、医師だけでなく、すべての専門職が意見を出し合い、最終的な治療方針に反映させることが求められている。
医療の未来を見据えて
医師と臨床検査技師とのコミュニケーションは、信頼関係の構築につながる。さらに、医学の進歩と高齢化が進む現代においては、この連携がますます重要になっている。北海道医療センターでは、継続的なディスカッションが行われ、スタッフ同士のスキル向上やモチベーションアップが図られている。その結果、より高品質で安全な医療を提供できると信じている。
まとめ
タスク・シフトは、医療現場において重要な役割を果たすと同時に、医療の質を向上させるための強力な手段である。北海道医療センターの成功事例から学べることは多い。医療スタッフ全員が協力し、目的を持って活動することで、患者にとってより良い医療が実現できるだろう。