総務省が示す偽情報対策の強化と公職選挙法改正への期待

総務省会見の概要

令和6年7月19日、松本総務大臣は閣議後の記者会見において、消費者物価指数の報告と共に、デジタル空間における偽情報対策および公職選挙法改正についての見解を述べました。

消費者物価指数の報告

会見の冒頭、消費者物価指数についての資料を配布し、詳細は統計局へ問い合わせるようにと述べました。

偽情報対策について

その後の質疑応答では、偽・誤情報の流通に関する問題意識が強調され、政府は新たに設立された有識者会議で得た情報を基に、対策の制度整備を求めています。この取り組みは、SNS事業者にも影響を及ぼすことが予想されます。特に、偽情報を排除するための基準を設ける必要性が議論されており、今後は法整備も含めた具体的な対策が必要となるでしょう。

「アルゴリズムを含むアーキテクチャがデジタル情報の流通に与える影響を理解し、適切なリスク軽減措置を講じることが求められている」と大臣は語りました。具体的な法整備については、近日中にパブリックコメントを経て、検討結果が公表される予定です。

公職選挙法の改正案

次に、公職選挙法の改正に向けた議論についても触れられました。都知事選におけるポスターや政見放送のあり方が問題視される中、候補者の情報を明確にするための規定の必要性が各党で議論されています。中でも、鳥取県が執行する条例案は、ポスター掲示板の営利目的利用の禁止を検討していることで注目を浴びています。大臣は、「選挙を通じて民主主義の確立を図る上で、選挙制度の改善が求められている」と述べ、自治体からの動きにも耳を傾けています。

実効性を担保することの重要性

質疑の中で、偽情報対策について、「事業者が従わなかった場合の罰則規定の設計が不十分」という指摘に対し、大臣は300ページを超える提言の中で具体的な執行手段の重要性について言及しました。報告徹底や罰則の設定を含めた制度が必要との考えを示しました。そのため「パブリックコメントを経て実効性を担保する方法についても整備していきたい」と強調しました。