埼玉県において、新しい支援団体として「NPO法人さいたま多胎ネット」が2024年11月11日に設立されました。この団体は、多胎家庭、つまりふたごやみつごを育てている家庭に焦点を当て、孤立感を軽減し、社会とのつながりを構築することを目的としています。
埼玉県では、毎年約500組の多胎児が誕生していますが、妊娠期から出産、育児にかけての課題は数多くあります。特に、切迫早産や低体重出産など、多胎妊娠特有のリスクが伴い、母親は早期から入院を余儀なくされることも珍しくありません。出産後も、授乳やオムツ替えが連続して行われる中で、疲労感や精神的なストレスを感じている方が多いのが実情です。こうした状況から、多胎家庭は孤立しやすく、他の家庭とのコミュニケーションが取れないために心の支えを求める声が増えています。
このような背景から、前身組織である「さいたまふたご・みつごサークルPeanutsCLUB」では、2021年から「妊娠期からの多胎ファミリー教室」を開催し、多胎妊娠に関する正確な知識や情報を提供してきました。この活動を通じて、多胎家庭の間での繋がりを深めることができ、受け入れられた参加者数も増加傾向にあります。これまでに合計64組の家庭がプログラムに参加し、参加者からも高い評価を得てきました。
NPO法人さいたま多胎ネットは、この活動をさらに拡大し、オンライン形式での教室も視野に入れながら多くの家庭にサポートを提供する計画を立てています。また、ピアサポーターの養成、地域サークルの設立・運営支援などを通じて、埼玉県全体での多胎家庭の支援を強化していく方針です。
「個」を大切にしながら「輪」を広げ、革新をもたらす新しい多胎支援を目指すというのがこの団体のミッションです。多胎家庭のニーズに応えるべく、常に最新情報を発信し続け、その活動の中で得られた知識を多くの家庭と共有していくことに努めます。
代表理事の花俣美加は、自身も30週で双子を出産した経験を持ち、苦しんだ日々を乗り越えた思いを大切にしています。その経験を元に、多胎家庭に寄り添うことの重要性を痛感し、本団体の設立に至りました。多胎家庭の支援を進めることで、全ての子育て世代にとっても優しい埼玉県を作ることを目指しています。
このように、さいたま多胎ネットの設立は、地域の多胎家庭にとって喜ばしいニュースであり、今後の活動に期待が寄せられています。支援の輪が広がることで、孤独感を感じる家庭が一人でも減り、より健やかに子育てを行える環境が整うことを願っています。詳しい情報は、
公式ホームページをご覧ください。