沖縄県でAI電話を用いた受診前相談の実証がスタート
新たな受診相談の形、AI電話の導入
Dr.JOY株式会社は、沖縄県が実施する「令和7年度テストベッド実証支援事業」に採択され、浦添総合病院との共同でAI電話を活用した受診前相談の実証を開始しました。このプロジェクトは、患者がAI電話を介して受診に関する相談を行い、その情報を基にAIが要点を整理しレポートを生成することで、医療従事者の負担を軽減することを目的としています。
医療現場の課題を解決
現在、日本の病院では毎日約60万件の電話相談が発生していますが、その大部分が「受診相談」に集中しています。この状況により、予約が取りづらくなり、軽症の患者が救急外来に流れてしまう事例が増加しています。これによって、看護師の業務が圧迫され、患者満足度にも影響が出かねません。これらの問題に取り組むべく、Dr.JOY株式会社はAI電話受診相談サービスを開発しました。
AI電話受診相談の流れ
1.
患者受付:患者は受診相談専用の番号に電話を掛け、AIが内容を正確に把握します。
2.
解析と情報共有:AIは受診の緊急度を推定し、最適な診療科を提案します。また、要点をまとめたレポートが院内で共有されます。
3.
看護師の対応:看護師はこのレポートを参考にしながら、重症度の高い患者から優先的に折返し連絡を行います。
このシステムによって、医療現場の電話対応の負担を軽くし、24時間体制での相談受付を実現させます。また、AIが通話内容を自動でテキスト化し、院内での共有を簡便にします。
今後の展開と期待
このプロジェクトは、実証によって得られた知見を通じて、2026年度から全国展開を目指しています。また、AI電話のデモが日本医療マネジメント学会で紹介されることも予定されています。Dr.JOY株式会社の代表、医師の石松宏章氏は、受診に不安を抱く患者及び業務の負担に悩む医療現場の両方に対する解決策を提供することが、本サービスの意義であると述べています。
最後に
AI電話受診相談サービスは、看護師の負担軽減や救急外来の過負荷運用、予約漏れの予防といった多面的な課題解決を目指す取り組みです。今後もDr.JOY株式会社は、医療供給の質向上に寄与するソリューションを追求していく考えです。沖縄県の支援と浦添総合病院との協力に感謝し、さらなる実証実施を通じて受診相談の新たな可能性を切り開くことを目指しています。