介護離職の実態
2026-05-28 09:37:27

介護離職の実態と制度の効果、迫る大介護時代の挑戦

介護離職の実態と課題



はじめに


2026年5月28日、NPO法人「となりのかいご」は、「介護離職白書2026」を発表しました。この白書は、介護に関わる離職の実態をデータを基に分析しています。特に、テレワークや柔軟な働き方が広まった中でも、なぜ介護離職が減少しないのか、その理由を探ります。

介護離職の背景


調査によると、介護を理由に離職した方の実に60.3%が、何らかの両立支援制度を利用した上で離職していることが判明しました。これは、多くの人が制度を利用しても、実際にはそれが離職を防ぐ効果が薄いことを示しています。特に、介護休業の利用率が約2.3倍に上昇しているにもかかわらず、離職者数は減少していない現状には驚きを感じます。

改正法と企業の対応


2025年4月には改正育児・介護休業法が施行され、企業は個別周知や情報提供が義務付けられました。多くの企業が両立支援制度を整えていますが、現場では「制度が整っても離職が減らない」という声が上がっています。

調査結果の重要なポイント


1. 制度利用と離職

調査対象者の中で、現在離職群の60.3%が介護に関する制度を利用していたにもかかわらず離職に至った事実は重要です。これは、制度利用のプロセスが適切にサポートされていなかった可能性を示唆しています。

2. 管理職層の現状

管理職でも、80.3%が何らかの制度にアクセス可能でしたが、それでも離職に至るケースが多いことがわかりました。制度にアクセスしていることだけでは、離職を防ぐには不十分であることが示されています。

3. 介護に対する意識の変化

「家族で介護すべき」という意識が、2020年の25.7%から2025年には33.8%へと増加しました。この傾向は、特に離職者に顕著であり、49.0%がこのように感じています。このことから、制度が整っても「親孝行の呪い」が強く、過度な負担が家庭にかかっている様子が見受けられます。

4. 離職時期の分析

介護を理由とした離職者の半数以上は、介護開始から1年未満で辞めてしまうことが明らかになりました。介護と仕事の両立が特に厳しい、この最初の1年が離職リスクの高い期間であることが浮き彫りとなっています。

5. 親身なサポートの必要性

調査結果から、会社のみに相談した群の離職率が46.1%という高い数値であることがわかりました。それに対し、家族や専門家にも相談することで、精神的・物理的なサポート満足度が高くなることが確認されています。これは、企業が単なる制度へのアクセスではなく、専門家との連携を強化する重要性を物語っています。

結論


介護離職問題は、制度の整備だけでは解決できません。介護に対する意識を問い直し、家族の過度な負担を減らすための形が求められています。企業は制度を整えるだけでなく、意識改革を促進する方策も模索する必要があるのです。「介護離職白書2026」は、今後の介護支援のあり方について深く考えさせられる内容となっています。

調査概要


本白書の調査は、介護経験のある就業者2573名を対象に行われました。調査の詳細および白書のダウンロードは、NPO法人「となりのかいご」の公式ウェブサイトで確認できます。

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