アイルランドが魅せるプレミアムシーフードの未来
2025年8月、第27回「ジャパンインターナショナルシーフードショー」が東京ビッグサイトで開催され、アイルランド政府食糧庁Bord Bia(ボード・ビア)が出展しました。この展示会は、水産業において重要な位置を占めるイベントであり、日本各地の食材から世界の水産原料に至る幅広いトレンドや新技術、サービスが紹介されました。
今年は特にアイルランドから4つのプレミアムシーフード供給業者が参加し、サバやスモークサーモンなど、アイルランドの代表的な製品が披露されました。展示会では、アイルランド産シーフードの新たな調理法を提案するため、初めてクッキングデモが行われ、業界関係者に向けた具体的な活用例が紹介されました。クッキングデモはシェフ井上裕基氏によるもので、「新鮮なアイルランド産プレミアムオイスターのリゾット」や「ムール貝のタランティーノ風スパゲッティ」などが手に取られました。
このような取り組みは、アイルランドのシーフードが持つ新たな可能性を示しています。ボード・ビアからの輸入品は、今後高付加価値商品として日本市場へ展開される予定です。政府機関のマーケットスペシャリストである香蓮バリフ氏は、「2024年には新たな輸出量が増加しただけでなく、アイルランド産牡蠣の輸入再開により、新たなシーフードの魅力を日本に送り届けることができました」とアピールしました。
ちなみに、アイルランド産牡蠣は、日本政府が生食を許可している唯一のヨーロッパ産牡蠣です。このことは、アイルランドのシーフードがいかに高品質で安全性が高いかを物語っています。また、アイルランドの水産物は、持続可能な養殖や漁法を用いて生産されており、環境への配慮がなされています。アイルランドのこれらの取り組みは国際社会で評価され、年々高まる需要を背景に、輸出は順調に増加しています。これにより、前年に比べてアイルランド産シーフードの輸入量は24.5%、輸出金額は58.7%増加しました。
日本では、アイルランド産サバやアジが市場に定着しつつあり、プレミアムな甲殻類もレストランでの認知度を高めています。ボード・ビアは、持続可能な製品の生産と消費促進を推進するために、業界支援や販促活動を通じて日本市場との交流を深めています。展示会には、アイルランドのシーフード業者が出展し、具体的な商談を行う機会も増えています。
このジャパンシーフードショーは、業界の結束を強化し、未来の水産業を考えるにあたり貴重なプラットフォームとなっています。アイルランド産シーフードのさらなる展開が期待される中で、ボード・ビアは日本の水産流通業界との連携を進め、安心・安全なアイリッシュシーフードを提供できるよう努めています。
展示会に参加したメディア関係者からは、アイルランド産シーフードの具体的な魅力について話を聞き、養殖や加工現場の持続可能な取り組みを知ることができたという声が聞かれました。今後も、このような国際展示会を通じて、アイルランドの持つ魅力が多くの人々に知られることを期待しています。