マイナビの調査から分かるアルバイトの暑さ対策と企業の意識

アルバイトの暑さ対策に関する調査レポートの概要

株式会社マイナビが提供する最新の調査レポートでは、全国のアルバイト業界における暑さ対策の実情が浮き彫りになりました。この調査は、企業と個人を対象に行われ、アルバイト従業員の暑さに対する意識や企業の取組状況が調査されました。ここでは、調査結果をもとに、アルバイトが直面する暑さの問題と企業の対策について詳述します。

離職率に関する現状

調査によると、アルバイトのうち約13％が暑さが原因で離職した経験を持っています。この割合は特に医療・介護・保育の分野で20％以上に達し、軽作業でも19％と高い数字を示しています。さらに、約37.6％のアルバイト従業員が現在の職場に対して「改善を求める声」を上げており、その多くが職場環境の涼しさに不満を持っていることがわかりました。

改善要望の内容

具体的には、従業員が求める改善策として「空調設備の完備」が最も高く、59.9％がこれを挙げています。また、休憩や水分補給の確保も重要視され、45.3％がこの点を指摘しました。特に飲食業界では50％以上が改善を望んでいるという結果も出ており、職場環境の整備は急務であることが明らかとなりました。

企業側の実態と対応策

企業側に目を向けると、約25.5％の企業が夏季に暑さからの離職があったと回答。業種別に見ると製造業、建設業、小売業が多く、この現象が深刻であることが示されています。驚くべきことに、2025年5月以降にはこの問題がさらに悪化する可能性があると考える企業も24％に上ります。つまり、まさに暑さ対策は切実な課題となっているのです。

企業が暑さ対策を施行する際の課題としては、コストの増加や人材不足が挙げられます。行いたいと考えながらも、「ウォーターサーバーの設置」や「フレックス勤務制度の導入」など、多くの企業が実施できない理由については、これらの要因が影響しています。

熱中症対策の義務化

さらに、2025年6月から実施される熱中症対策の義務化についての知識が企業内でどれほど浸透しているかを調べた結果、認知度は約65.1％に達しています。特に従業員数が少ない企業ほどこの認知度が低いことが分かりました。これにより、小規模企業に対しては繰り返しの啓発が必要であることが示唆されます。

今後の展望と必要な取組み

働き手からの声として、企業側がより効果的な暑さ対策を行うことが求められています。同時に、企業もコストの増加を恐れずに必要な設備投資を行い、安心して働ける環境を提供する意識が必要となってきます。

従業員は体調に気を配り、異変を感じた際に適切な対処を行うことが求められます。そして、職場でのコミュニケーションやサポート体制が重要であり、従業員の健康を第一に考える取り組みが今後ますます求められるでしょう。