57兆の正方形で新たな住所の形を創造するwhat3wordsと資金調達の意義

最近、what3wordsがSony Innovation Fundから資金調達を行ったことが注目を集めています。このスタートアップは、世界中を57兆個の3メートル四方の正方形に分け、それぞれを3つの単語で指定することで、従来の住所指定の限界を克服するユニークな位置情報システムを開発しました。

具体的に言うと、what3wordsでは「///いちがつ・わたくし・ねむい」といった単語の組み合わせで、Sonyの東京オフィスビルのエントランス前の非常に狭い範囲を指し示します。この方式は、特に音声アシスタントと連携することを意識して設計されており、複雑な住所入力を必要とせずに、正確に位置情報を伝える新たな手段です。今回調達した資金は、音声入力を駆使した自動車関連技術の開発に充てる予定で、今後さらなる進展が期待されます。

Sony株式会社の御供俊元氏は、「what3wordsは音声で正確な位置情報を機械に入力できる課題を解決しています」と述べ、デジタルプラットフォームや各種チャンネルにおいての需要の高まりを示しています。Sony Innovation Fundは2016年に設立され、AIやロボティクスなどにフォーカスしたスタートアップとの協業を進めています。このように、what3wordsはソニーの厳選されたパートナーとなり、さらなる成長を促進されることが期待されています。

what3wordsの技術は多くの企業に採用されており、特に自動車業界でのニーズが高まっています。ダイムラー社は、2018年にwhat3wordsの株の10%を取得後、同社の最新車両にこの技術を組み込み始め、メルセデス・ベンツ・スプリンターにも展開しています。また、ナビゲーション技術のリーダーであるTomTomやライドヘイリングサービスのCabifyも、そのサービスにwhat3wordsを組み込むことで、より正確なナビゲーション体験を消費者に提供しています。

さらに、政府機関や大規模な社会サービス向けにも導入が進んでおり、モンゴルや南アフリカのプログラムでは、特定の地理的条件下での物資配送に革命をもたらしています。特にモンゴルでは、広大な国土を持つ中で、遊牧民族へ効率的に物資を届ける手段として高く評価されています。

日本国内においても、2018年にはカーナビの大手であるアルパインが出資し、観光SNSアプリ「Deaps」でも導入されました。これは、国外だけでなく国内においてもwhat3wordsの技術が注目され始めていることを示しています。

what3wordsの仕組みは、世界中の位置情報を簡潔かつ正確に共有できるフレームワークを提供しています。まだ発展途上のこのスタートアップが、今後も各業界でのインフラとして機能し続ける様子は、非常に興味深いものがあります。何より、音声技術の発展と共に、ますますエコシステムを拡大していくことが期待されているのです。これからのwhat3wordsの動向に注目が集まっています。

【what3words概要】