アスリートに学ぶ「意味ある敗北」
2026年には、多くの国際大会が控えています。冬季オリンピックやWBC、FIFAワールドカップ、日本開催のアジア競技大会やアジアパラ競技大会など、世界中のアスリートが注目を集める機会が再び訪れます。そんな舞台で活躍する彼らは、勝利を手にする一方で、多くの敗北や挫折を経験しています。その中で何を学び、どのように成長してきたのか。
新潮社から2024年1月15日に発売される『意味ある敗北とは何か アドラー心理学で読み解くトップアスリートの言葉』は、アスリートが直面する困難を、心理学の視点から掘り下げています。本書では大谷翔平選手や国枝慎吾選手、羽生結弦選手など、35名の著名なトップアスリートの言葉を通じて、アドラー心理学の観点から彼らのメンタルの強さと成長過程を探ります。
メンタルケアの重要性
著者の内田若希氏は、九州大学の人間環境学研究院の准教授であり、運動・スポーツ心理学の第一人者です。彼は、自身の専門分野を活かし、アスリートたちが直面する心理的な課題を深く理解することが重要であると考えています。
「勝者とは、逆境を乗り越えた者である」という言葉が示す通り、アスリートたちの成功には常に敗北が存在します。しかし、彼らはその経験を通じて、自らのメンタルを鍛え、成長へとつなげているのです。そしてその過程にこそ、アドラー心理学の考え方が大いに役立ちます。
内田氏が提唱するメソッド
本書では、アスリートたちが挫折を経験した際のメンタルの維持方法や、勝利を収めるために心の健康をどう保つかなど、実践的な手法を紹介しています。内田氏によると、敗北は成長への第一歩であるとされています。逆境に直面したとき、いかに自分自身を鼓舞し、周囲のサポートを受け入れられるかが、今後の成長に大きな影響を与えます。
有名アスリートからの推薦
本書には、国枝慎吾選手、原晋監督、そして山口香選手といった、著名なアスリートたちからの推薦の言葉も寄せられています。国枝慎吾選手は「勝つこと以上に大切なものが、ここに書かれている」と述べ、原晋監督は「スポーツは人生を豊かに歩むためのツールである」とコメント。このように、彼らが感じる「敗北の意義」は非常に深いものがあります。
さらに、山口香選手は「本書は心を整える処方箋。誰かを信じ、勇気づけたくなる」と述べており、読者にとっての大きな力となることでしょう。
終わりに
この本を通じて、幅広い読者がアスリートたちの言葉に触れ、彼らの成長過程を学ぶことで、自己の目標に向けた心構えを整える手助けになることを願います。『意味ある敗北とは何か アドラー心理学で読み解くトップアスリートの言葉』は、ただのスポーツ書ではなく、人生を豊かにするための大切なメッセージが詰まった一書です。