EYとSAPの新たな協業によるブロックチェーンソリューションの展開
2017年11月14日、アーンスト・アンド・ヤング(EY)はSAPとの戦略的な協業を発表しました。このコラボレーションは、グローバル規模でさまざまな業界に向けたブロックチェーンソリューションの展開を目的としています。両社は、SAP® Leonardoデジタルインベーションシステムを活用し、統合されたブロックチェーンアプリケーションとサービスを開発します。
EY Ops Chainの導入
この協業による最初の成果物としてリリースされるのが「EY Ops Chain」というソリューションです。このブロックチェーンプラットフォームは、主にサプライチェーンの管理を効率化することに焦点を当てています。具体的には、契約管理や在庫、物流情報の共有、価格設定、請求から支払いまでの一連のプロセスを一元化することが可能になります。この結果、企業は運転資金の削減に寄与しつつ、予測精度やオペレーションの実行率を向上させることが期待されています。
SAP Leonardoの役割
SAP Leonardoは、IoT(モノのインターネット)、機械学習、ブロックチェーンなどの最新テクノロジーを集約したプラットフォームです。これにより、企業は新しい技術を用いたイノベーションを簡単に導入でき、業務プロセスの改善にも繋がります。また、SAP Leonardoは従来の「記録するためのシステム」から、データに基づくインサイトを提供し、迅速な意思決定を支援する「インテリジェントなシステム」へと転換する力を持っています。
業界リーダーの見解
EYのブロックチェーンイノベーションリーダーであるPaul Brody氏は、「ブロックチェーンは、企業間でのデータ共有を促進するための標準的ツールとして急速に普及しつつある」と述べています。データは従来、各システムで個別に管理されていることが多かったのですが、EY Ops Chainはこれを解決するために構築されています。
さらに、HfS ResearchのSaurabh Guptaチーフストラテジーオフィサーは、企業がブロックチェーンの特性を利用して、より公平で改ざんのないビジネスモデルを築く可能性に注目しています。これらの取り組みは、業界全体のデジタル化と効率化を促す重要な施策になると考えられています。
また、SAPのチーフイノベーションオフィサーJuergen Mueller氏も、「ブロックチェーンは安全で簡単なデータ共有を実現できる」と強調し、顧客企業がこの技術を用いることで一貫したビジネスプロセスを持つことができるようサポートしていく意向を示しました。
今後の展開
EYとSAPの協業によるブロックチェーンソリューションは、企業のサプライチェーンや業務プロセスの透明性を向上させるだけでなく、効率化によるコスト削減も見込まれます。両社は、さらなる技術革新に向けて積極的に取り組んでいく予定です。
詳細や最新情報は、EYマイクロサイトでご覧ください(英語版のみ)
EY microsite。
EYとは
アーンスト・アンド・ヤングは、監査、税務、トランザクションやアドバイザリーサービスの提供において、世界中で高い信頼を寄せられるリーダー的存在です。EY Japanは、日本におけるEYのメンバーファームの集合体として、法人税務やトランザクションの分野でも顧客に対し最適なサービスを展開しています。関連サイトは
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