森本啓太の初作品集『KEITA MORIMOTO Illuminated Solitude』
現代アーティストの森本啓太が、自身の画業を凝縮した初作品集『KEITA MORIMOTO Illuminated Solitude』を11月11日に刊行する。東京を拠点にする彼は、カナダ・トロントでの10年間の活動を経て、日本で新たな表現を展開中だ。この作品集は、地味な日常に光を当てる彼のユニークな視点が詰まった一冊となっている。
あなたの物語がここに
森本の作品は、街中の至る所から感じられる日常の情景を、古典的な技法を用いて表現することで特別な物語へと昇華させる。自動販売機や電話ボックス、さらには若者の姿など、普段目にする光景を取り上げ、それらを仄暗い画面上にドラマチックに描き出す。また、いずれの作品も観客の個人的な記憶や感情と密接に関連しており、誰もが特別な物語を抱えていることを思い起こさせる。これにより、鑑賞者は自身の内面と作品とを結び付け、より深い感動を覚えるだろう。
約100点の作品が収録
この作品集には、活動12年の中で制作された約100点の作品が収められている。初期の作品から最新のものまでが網羅されており、特に注目のポイントはその多様性だ。仄暗い画面の中で浮かび上がる光の表現は、どこでもあり、どこでもない場所を描くことで、見る者に無限の解釈の可能性を与えてくれる。森本は、アートを通じて現代社会に生きる人々が持つ多様な物語を引き出し、共有することに成功している。
展覧会情報
本書の刊行を記念して、展覧会が開催される。展覧会名は「KEITA MORIMOTO Illuminated Solitude」で、2024年11月9日(土)から11月27日(水)まで銀座 蔦屋書店のイベントスペースで行われる。入場は無料で、誰でも参加できる。
作家プロフィール
森本啓太は1990年に大阪で生まれ、2006年にカナダへ移住。2012年にはオンタリオ州立芸術大学を卒業し、以降約10年間、トロントで活躍していた。2021年に日本へ帰国した彼は、バロック絵画やリアリズムの技法を学ぶことで、都市生活の一瞬を特別な物語へと変える手法を確立した。
彼の作品は、国内外の美術館に展示され、高い評価を受けており、トロント・カナダ現代美術館やアメリカのハイ美術館にコレクションされている。彼の視点と技術が生み出すアートの魅力をぜひ体感してほしい。
書誌情報
- - 書名: 『KEITA MORIMOTO Illuminated Solitude』
- - 著者: 森本啓太
- - 発行: カルチュア・コンビニエンス・クラブ
- - 発売: 美術出版社
- - 価格: 6,500円(税別)
- - 発売日: 2024年11月11日
- - 仕様: 142ページ、A4サイズ、日英バイリンガル
特に注目すべきは、数量限定の特別版として、作家初の木版画作品とセットになった版も用意されることだ。芸術と日常の交差点を探求する森本の作品と共に、特別な時間を過ごしてほしい。