京都大学名誉教授が伝授するコミュニケーション術
京都大学名誉教授である鎌田浩毅さんの著書『オタク科学者の超コミュニケーション術』は、理系の研究者として長年の経験から導き出されたコミュニケーションのノウハウを明らかにしています。現在、鎌田教授は毎年数百人の学生を集める人気講義を担当しており、メディアでもすっかり「オモロい先生」としての地位を確立しています。しかし、彼の若い頃は火山研究一筋の不器用な研究者でした。
本書では、コミュニケーションの本質は意外にもシンプルなものであることを教えてくれます。それは、「相手の興味に関心を持ち、積極的に耳を傾けること」です。この基本的な姿勢が、相手との心の距離を縮め、より効果的なコミュニケーションを生み出す鍵であると著者は説きます。
聞く力が全てのスタート地点
「話し方のテクニック」や「自己演出」のテクニックの前に、まず必要なのは「聞く力」だと鎌田教授は強調しています。相手がどんなことを興味に思っているのか、何に引っかかりを感じているのか、その本質を理解しようとする姿勢が最も大切です。自身の経験を分かち合いながら、「聞く力」を高めることが、結果的に「伝える力」に繋がるのだと教えてくれます。
コミュニケーションのヒントが満載
本書では、火山学者としての研究経験や大学講義、メディアでの活動、日常会話など多様なシーンでのコミュニケーションのヒントが網羅されています。特に、話し方に不安を感じる人や、会話が続かないと悩む人にとって、本書は大きな助けとなることでしょう。逆境や不器用さを乗り越え、効果的なコミュニケーションを実現するためのテクニックが具体的に紹介されています。
誰にでも役立つ内容
本書は、以下のような人におすすめです。
- - 話すことが難しいと感じているが、誠実に何かを伝えたい人
- - 仕事やプレゼンで伝わらないことに悩んでいる人
- - 小手先の話術に頼るのではなく、本質的な力を身につけたい人
- - 相手とのコミュニケーションスキルを高めたいすべての大人
読了後には、相手との距離が自然に縮む会話の視点を持ち、誤解を生まない言葉を選ぶことができるようになるでしょう。そして、自分を無理に変えなくても「伝わる人」になる習慣を習得することができます。
具体的なアプローチ
各章では、コミュニケーションの課題を克服するための具体的なドリルや技術も紹介されています。たとえば、初対面の人に自分が何者かを一瞬で伝えるドリルや、話題を自分ごとに言い換える練習など、実践的な内容が豊富です。これらのテクニックを通じて、相手のフレームワークを理解し、関心に関心を持つ姿勢が、より円滑なコミュニケーションへと導いてくれます。
また、誤解のない言葉の選び方やインタラクティブなフィードバックループの作成、肯定的に聞く姿勢など、具体的なアドバイスが続きます。これらのヒントを生活に取り入れることによって、日常的なコミュニケーションの質が大きく向上することは間違いありません。
鎌田浩毅教授のプロフィール
鎌田浩毅教授は、1955年生まれで、東京大学理学部を卒業後、通産省地質調査所や米国内務省カスケード火山観測所での研究経験を経て、現在は京都大学で教授として教鞭をとっています。日本地質学会での活動や、気象庁での役割も果たし、科学の普及にも力を入れている「科学の伝道師」としての顔も持ちます。
本書は、こうした多彩なバックグラウンドを持つ著者による、実践的かつ説得力のあるコミュニケーションのアプローチが詰まっています。読者は、きっと自身の人間関係を豊かにするためのヒントを得られることでしょう。