バイオガス精製システム探索
2025-08-05 11:39:27

旭化成、バイオガス精製システムのライセンスパートナーを本格探索開始

旭化成が挑むバイオガス精製システムの全貌



旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:工藤 幸四郎)は、岡山県倉敷市の児島下水処理場で、2025年2月から実施しているバイオガス精製システムの実証試験を通じて、メタンの高純度・高回収率を実現しました。この成果をもとに、グローバル展開に向けたライセンスパートナーの探索を本格的に開始します。

バイオメタンの重要性



地球温暖化の対策やエネルギーの安全保障の視点から、再生可能エネルギーの導入が急務とされています。なかでも、バイオガス由来のバイオメタンは、既存の天然ガスインフラを効果的に活用できる持続可能なエネルギー源として、世界中で注目されています。特に欧州では、バイオメタンの導入が進んでおり、パイプラインへの注入やバイオCNG化の需要が高まっています。また、インドでも急速な都市化に伴い、廃棄物処理とエネルギー供給の課題解決として、バイオガスの利活用が国家政策の一環として進められています。

旭化成の技術力



旭化成は、化学品製造を支える触媒技術やガス分離技術の分野で多くの知見を有しており、特に触媒分野での構造制御技術や吸着特性に関する独自技術を確立しています。この経験を基に、CO₂を選択的に吸着するゼオライトの開発に成功し、PVSAプロセスとゼオライトの連携により、バイオガスからCO₂を効率よく取り除き、高純度且つ高回収率のバイオメタン精製システムを開発しました。このシステムは、再生可能エネルギーであるバイオメタンの普及とカーボンニュートラル社会の実現に貢献することが期待されています。

実証試験の詳細



2025年2月から始まる実証試験は、岡山県倉敷市の児島下水処理場において、下水汚泥から生成されるバイオガスの一部を利用して行われます。この試験では、実際のガス環境下でシステムの性能と運転安定性を検証し、高い純度と回収率の両立を目指します。初期評価によると、約1か月の連続運転で、精製されたバイオメタンの純度は97%以上、回収率は99.5%以上を記録し、技術的な課題を克服する成果を得ています。

今後の展開計画



旭化成は、本システムを無形資産を活用した新規事業創出の一環として位置付け、ライセンス技術を通じて各パートナーとの共創を推進します。今後は欧州やインドを中心に、地域ニーズに応じた早期の社会実装を目指します。倉敷市での試験を通じて、さらなる性能検証とデータの蓄積を続け、新たなパートナー企業や自治体と連携し、商用スケールでの実証に向けた活動を進め、2027年には商品化を目指す計画です。旭化成は、未来の変化を追求する理念のもと、持続可能な技術を社会に提供し、人と地球のより良い未来の実現を目指しています。


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会社情報

会社名
旭化成株式会社
住所
東京都千代田区有楽町1-1-2日比谷三井タワー
電話番号
03-6699-3000

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