福祉の現場に革命をもたらすARUの取り組み
福祉という分野は、社会にとって非常に重要である一方、人手不足や業務負担が常に課題とされています。そんな中、株式会社ARUは送迎記録の自動化を通じて、職員が持つ貴重な時間を現場へ戻すという小さな革命を実現しました。この取り組みは、福祉業界にどのような変化をもたらすのでしょうか。2025年にCTOとして活動を始めた増村大輝氏のコメントを交えながら、その詳細を見ていきます。
厳しい現場の現状
福祉の現場では「人が足りない」「時間がない」という言葉が頻繁に聞かれます。特に書類や記録、集計作業がサービスの提供を妨げているのが現実です。株式会社ARUでは、月に約1,000件の送迎記録を管理側が手作業で集計しており、これが少人数での業務を圧迫していました。業務に必要な時間は月に30時間にも上り、その膨大な時間を何とか短縮する方法が求められていました。
ARUの自動化の取り組み
ARUが導入した自動化の仕組みは、主に以下の手法によって実現されています。これにより、手作業が激減し、職員の負担が大きく軽減されました。
- - 報告の自動データ化 送迎担当からの報告がそのままデータベースに登録されるため、書き写し作業が不要になる。
- - 行き先のまとめ入力 複数の送迎先をカンマや読点で区切るだけで、1行ずつ自動的に分割され、記録される仕組み。
- - 距離の自動取得 既存のリストから距離を自動で参照。未登録の住所に関しては「確認してください」とのメッセージが自動表示。
- - 往復距離の自動計算 最も遠い行だけを自動複製し、往復距離を自動的に計算することで、手間を省略。
- - 進捗の可視化 処理状況を自動的に記録し、進捗やエラーが一目で分かるようにすることで、業務の透明性を確保しました。
これらの仕組みのおかげで、月30時間の事務作業は約1時間にまで圧縮され、ヒューマンエラーも大幅に減少しました。
改善による効果
増村氏は「福祉はITから遠い世界のように見えるかもしれないが、小さな改善を積み重ねることで全体の質を高めることができる」と語ります。ARUの自動化によって、記録作業の軽減が見込まれ、現場対応や利用者サポートの時間が増えることが期待されています。
今後の展望と支援内容
さらに、ARUでは今後、他の福祉事業者や就労支援事業所に向けて、小規模な自動化の導入支援を開始する計画です。その内容には、Google Workspaceを利用した業務の自動化や、AppSheetやWebアプリを利用した業務管理アプリの柔軟な開発が含まれます。また、現場の担当者と協力して「内製化支援・伴走型サポート」も行っていく旨を明らかにしています。
「自社の現場にも導入できるのか?」「送迎以外の業務も自動化できるのか?」などの相談を受け付けているとのことです。いただいた問い合わせには、真摯に対応していくとのことなので、ぜひ興味のある方は積極的に連絡を取ってみてはいかがでしょうか。
会社概要
- - 会社名:株式会社ARU
- - 代表者:薄田夕侑
- - 設立:2021年10月8日
- - 所在地:大分県大分市長浜町2丁目12-10 昭栄ビル303
- - 事業内容:障がい者就労支援など
- - 公式サイト:aru.inc
ARUの取り組みを通じて、福祉現場が抱える課題は解決の道筋を見つけられるかもしれません。時代の流れに沿った柔軟な改善案が求められる中、ARUの取り組みはその第一歩として注目されます。