自然共生を目指す横枕地域のボランティアツーリズムが始動
唐津市相知町に位置する横枕地域が、2024年度から本格的にボランティアツーリズムのプログラムを開始します。この取り組みは、環境保全と国際交流を一体化させた新しい挑戦であり、持続可能な里山づくりを目指すものです。
自然共生サイト、横枕とは?
2023年に環境省により「自然共生サイト(OECM登録地)」に認定された横枕は、豊かな生物多様性を持つ里山地域です。ここには珍しい動植物が生息しており、地域全体で環境保全に取り組んでいます。特に、希少なブチサンショウウオの生息地としても知られており、多様な生態系を保護する努力が続けられています。
横枕は、「30by30(サーティーバイサーティー)」という、地域で自然を守り次世代へとつないでいく世界的な目標に貢献するモデル地域ともなっています。こうした活動は、単なる環境保護にとどまらず、未来の世代に豊かな自然環境を引き継ぐことを目指しています。
ボランティアツーリズムの内容
2024年春、横枕は初めてフランスから来た環境保全ボランティア2名を迎えました。彼らは以下の活動に参加しました。
- - 唐津ミツバチプロジェクト: ニホンミツバチの養蜂活動へのサポート。
- - 里山保全作業: 水路清掃や畦道草刈り、畑の耕作、ナスの支柱立てなど、実際の農作業を通じた環境保全。
- - 放牧準備: ヤギ小屋の整備や草地管理を行うことで、持続可能な農業の体験。
- - 自然共生サイト間交流: 隣接する伊万里市の「駒鳴の里山」への視察研修。
これらの活動では、地元の文化行事である「お籠り」やバーベキューにも参加し、国際的な文化交流を深める良い機会となりました。参加者たちは国籍や言語の垣根を越えて強いつながりを築き、自然保全活動の充実感を深めています。
ネイチャーポジティブに向けて
「ネイチャーポジティブ」とは、単に環境破壊を抑えるだけでなく、自然の豊かさを回復させることに重点を置いた考え方です。横枕でのボランティアツーリズムは、生物多様性の保全、地域資源を活かした持続可能な経済活動、環境教育と国際交流を組み合わせることで、人と自然、そして人と人との持続可能なつながりを育んでいます。
今後の展望
唐津Farm&Foodは横枕を拠点に「ボランティアツーリズム×ネイチャーポジティブ」のモデルを確立し、今後は日本全国に広めていく計画です。2024年度にはさらなる多数の海外からの受け入れを予定しており、農業、環境教育、文化交流など多様なプログラムを展開する見込みです。
また、地域資源を最大限に活用し、「世界とつながる持続可能な里山」という新たな未来像を描いていくことを目指しています。この取り組みを通じて、自然共生の理念をより多くの人々に伝え、実践していくことが期待されています。
参考リンク