現状回復トラブルの改善を目指す「現チョク」
原状回復に関するトラブルは、日本国内で年々増加しており、国民生活センターが示したデータによれば、毎年13,000件以上の相談が寄せられています。この問題は、賃貸住宅の貸主と借主間の認識のズレが主な原因となっており、「施工前」「退去前」といった実際の現場状態が曖昧であることが影響しています。それに対抗する新しいソリューションとして、スペースラボ株式会社が提供を開始したのが「現チョク」という3D現調DXサービスです。
「現チョク」とは何か?
現チョクは、原状回復や施工前後の現場状態を、専門スタッフが3Dスキャンで丸ごと記録し、そのデータを継続的に保管するサービスです。このサービスでは、従来の2D写真だけでは捉えることができない「その時の現場」を記録し、後から関係者が同じデータを確認できる環境を提供します。特に「証跡化プラン」により、記録されたデータは年額制で継続保管されるため、長期間にわたって入居時や施工前の状態を確認できるようになります。
原状回復トラブルが絶えない理由
賃貸住宅の退去時において、貸主と借主間での金銭的トラブルは頻発しています。これは単純な認識の違いや記録不足から来るもので、原状回復のガイドラインは整備されているものの、具体的な現場状態の記録が不足しているため、どのように闘うかが問題となります。特に、トラブルが発生した場合、双方の記憶に頼るしかなく、「言った・言わない」といった形での争いが発生します。
写真では捉えきれない「現場」の実態
たとえ現場で写真を撮影したとしても、それは「気をつけている場所」「意識している範囲」しか写らないため、後から確認したい部分が撮り漏れていることが多々あります。実際、写真だけでは確認したい箇所の傷の程度や位置関係を明確にすることが難しく、トラブルが生じる原因となります。ここで3Dスキャンが威力を発揮します。3Dスキャンによって、現場全体の状態を「面」として捉えることができるため、確認したい色々なポイントを正確に記録し再現することが可能です。
「現チョク」の具体的な活用方法
このサービスは、賃貸住宅の原状回復だけでなく、さまざまな場面で利用が可能です。たとえば、施工前後の状態をしっかり記録することで、工事範囲や仕上がり具合を確認できます。また、催事やイベントの設営前後、オフィス移転時の状態確認も容易に行えるため、幅広い業界での導入が期待されています。
未来に向けた取り組み
「現チョク」は一度の記録で終わるものではなく、取得したデータを建物ごとに蓄積する「物件カルテ」構想に基づいています。この情報は修繕や管理の判断を支える資産と位置付けられており、今後の建物管理の在り方を変えていくことが期待されています。
広がる可能性
「現チョク」は2026年7月1日〜3日に東京ビッグサイトで開催された「建設DX展+」に出展しました。会期中には750件以上の名刺交換が行われ、多くの問い合わせが寄せられたことで、現場記録と保証の重要性が広まっていることを実感しました。今後も、原状回復や施工関連での新たな提案が期待されています。
「明確な証拠を残すことが、トラブルを未然に防ぐ」という理念を持つ「現チョク」が、今後とも賃貸住宅や施工関連業界でのトラブル防止に寄与することを願っています。