静岡銀行がマネーロンダリング対策の実証実験を開始
株式会社静岡銀行は、2025年6月から金融犯罪対策の強化の一環として実証実験を行うことを発表しました。この実証実験は、シンプルフォーム株式会社と連携して進められ、特にマネーロンダリング(資金洗浄)や不正取引の早期検知を目的としています。
背景と目的
近年、国際的なマネーロンダリングや金融犯罪への対策要請が高まる中、金融機関にはより効果的な対策が求められています。静岡銀行は、顧客の不正取引を検知するために、法人口座の動きを監視し、特定の条件に合致する取引を調査しています。しかし、法人の場合、取引が正当な商業行為か不正目的かを判断することは特に困難です。
この問題に対処するため、静岡銀行ではシンプルフォームのソリューションを活用し、全国500万法人のデータを基にしたリスク評価の自動通知システムを導入することになりました。
実証実験の概要
実証実験は、2025年6月から9月までの期間に実施されます。具体的には、静岡銀行の取引先法人を「SimpleMonitor」でモニタリングし、リスク評価に影響を与える重要な情報の変化を自動で検出・通知します。このデータを基に、不正取引のパターンを分析し、金融犯罪対策の有効性を検証するというものです。
実施内容
- - 期間: 2025年6月〜9月
- - 目的: 静岡銀行の内部情報とシンプルフォームの独自データの連携による取引モニタリングの実効性向上。
- - モニタリング方法: 「SimpleMonitor」による法人のリスク評価の変化を常時監視し、不正取引の可能性を分析。
シンプルフォームの役割
シンプルフォーム株式会社は、法人取引における審査業務のデジタル変革を促進しています。特に「SimpleCheck」と「SimpleMonitor」という2つのサービスを提供し、法人に関する定性情報を迅速に収集・分析する体制を構築しています。これにより、リスク管理の効率化が図られます。
主要サービス
- - SimpleCheck: 法人名を入力することで、瞬時に情報を収集し、リスク情報を30秒でレポートします。
- - SimpleMonitor: 登録した法人のリスクに関わる重要な情報の変化を自動で通知します。
このようなシステムにより、静岡銀行は取引の初期審査から取引開始後のリスク管理を一元化することが可能になります。
今後の展望
静岡銀行は、シンプルフォームとの連携によって、金融犯罪対策のさらなる高度化を目指しています。実証実験の結果を基に、今後の運用方針が決定される見通しです。この取り組みは、地域金融機関としての責任を果たすとともに、顧客の信頼を高めるものとなるでしょう。
この実証実験を通じて、静岡銀行は不正取引の検知精度を向上させ、安心・安全な金融サービスの提供を目指していく姿勢を示しています。