福岡アジア美術館で新たなアートの創造が始まる
福岡市にある福岡アジア美術館は、国内外のアーティストを迎え入れ、彼らの創作活動を支えるアーティスト・イン・レジデンス事業を展開しています。今年度は第23回目を迎え、2024年12月14日から22日まで、成果展『周縁からはじまる』が開催されることが決定しました。この展示では、滞在中のアーティストが福岡で体験したことや、地域の文化との触れ合いがどのように彼らの作品に反映されるのかがクローズアップされます。
アートは一見派手で中心的なものであるように思われるかもしれませんが、実のところその感性を育む背景には周縁や境界での発見が存在しています。福岡アジア美術館が目指しているのは、まさにこの周縁から新たなアートの視点を生み出すことです。滞在期間中、アーティストたちは地域の文化や人々とふれあい、そこで得た新たなインスピレーションを作品に落とし込んでいます。
参加アーティストの紹介
展覧会に参加するアーティストは、ブルーノ・ルイス(メキシコ)、杉原信幸と中村綾花(長野)、浦川大志(福岡)、上村卓大(福岡)の4組です。
ブルーノ・ルイスの活動
メキシコ出身のブルーノ・ルイスは、印刷物を用いたアート活動を続けています。彼の作品の根底には「公共の場における美術の自立性」があります。今回の展示では、滞在中に取り組んだガリ版リサーチに基づいた新作と資料を展示し、印刷物を愛する人々とのネットワークの形成を目指します。
杉原信幸と中村綾花の作品
長野を拠点に活動する杉原信幸と中村綾花の二人は、安曇族の歴史や文化に目を向け、志賀島や豊前、対馬などをリサーチしました。本展では、彼らの作品として船のインスタレーションが展示され、さらに安曇族の舟にまつわる即興舞も行う予定です。
浦川大志の新たな視点
福岡出身の浦川大志は、景観の再構築に挑戦しています。彼は「博多べい」と呼ばれる伝統の壁の中から、新たな絵画の可能性を探求しており、インスタレーションとして新しい風景を提示します。
上村卓大の挑戦
上村卓大は、彫刻とは何かを追求し、日常生活の中で出会った「他愛のないもの」を作品に組み込んでいます。本展では、彼のスタジオに新たな機能を付加することで、美術やアーティストの公共空間における役割を問いかけます。
関連イベントと展示
1.
オープニング・トーク:
- 日時: 12月14日(土) 13:30 - 15:00
- 自作について語るアーティストたちのトークイベントです。
2.
磯良の舞パフォーマンス:
- 日時: 12月22日 (日) 14:30 - 15:30
- 杉原信幸と中村綾花による即興舞が行われます。
この成果展は、福岡だけでなく、アジア全体のアートシーンに影響を与える貴重な機会です。ぜひ現地でアートと対話し、新たな視点を体験してみてください!
展覧会タイトル: 第23回福岡アジア美術館アーティスト・イン・レジデンス成果展2024『周縁からはじまる』
会期: 2024年12月14日〜12月22日
観覧無料で、Artist Cafe Fukuokaでご覧いただけます。ぜひ足を運んで、アーティストたちの新たな作品を直接体感してください。