昭和コーポレーション、ベトナムでの挑戦
近年、企業のグローバル展開が加速する中で、昭和コーポレーションが新たな挑戦を開始しました。昭和コーポレーションは、2010年代以降にASEAN地域からのビジネスチャンスが増加したことを背景に、ベトナムにおける二つの現地法人、「昭和ベトナム」と「昭和テックベトナム」にクラウドERPシステム「multibook」を導入し、ガバナンスの強化を図っています。
昭和コーポレーションの概要
昭和コーポレーションは、建築設備業界において空調設備や衛生設備を中心とした事業を展開しています。自社製品の製造に加え、建築設備資材の総合商社としても機能しており、暖房や空調といった「熱」に関連する分野で国内有数の規模を誇ります。これまでの実績に裏打ちされた技術力を基に、新たな市場での展開を目指しています。
海外展開に向けた背景
昭和コーポレーションは2020年に販売拠点として昭和ベトナムを設立し、さらに2022年にはウレタン製品の製造拠点となる昭和テックベトナムを立ち上げました。これに伴い、生産と会計の管理基盤を整備する必要が高まり、選ばれたのが「multibook」です。
「multibook」は、特にコストパフォーマンスの優れたクラウド型ERPシステムで、日本の本社からも現地法人のデータを操作・モニタリングできる利便性が評価されました。多言語対応も可能であり、将来的な市場展開を見越した選択肢があることも大きなポイントです。
「multibook」導入の効果
導入後の成果として、昭和ベトナムでは会計やロジスティクスを「multibook」上で一元化することができ、月次決算を7営業日以内で行うことを実現しました。クラウドにより、常時データの確認が可能な「ガラス張り」の体制となり、透明性のある経営を実現しました。
さらに、昭和テックベトナムでは生産管理と原価管理を効率的に行う体制が構築され、業務分担の明確化が進みました。これにより、購買、生産、経理各部門が連携し、本業にリソースを集中できる環境が整いました。
今後の展望
今後昭和コーポレーションは、ベトナムを戦略的な拠点とし、環境やエネルギー分野を中心に更なる展開を図る方針です。「multibook」を利用して蓄積されたデータを元に、経営管理の高度化にも取り組む予定です。また、今回の成功を基に他のASEAN地域でも同様のソリューションを提供するとしています。
コメント
昭和ベトナムの拠点長である宮野氏は、「導入によって本社と同じ目線で経営状況を共有できる大きな安心感が得られた」とコメントしています。また、BBSのサポートにより、ベトナムの特有の会計基準にも対応した管理システムが迅速に立ち上げられたことに高く評価されています。
昭和テックベトナムの拠点長の堀越氏は、「multibookの汎用性とBBSの専門性が融合することで、安定した会計や生産の仕組みが整い、本業に集中できる環境が整いました」と言います。
このように昭和コーポレーションは、ベトナムにおける厳しい競争環境に立ち向かいながら、最先端の管理技術を取り入れ、さらなる成長を目指しているのです。