アメリカ文学史上の伝説的作家 デルモア・シュワルツの短編集が日本初上陸!
「アメリカ文学史上の伝説的作家」と呼ばれるデルモア・シュワルツの短編集『夢のなかで責任がはじまる』が、2024年7月22日に刊行されます。
本書は、シュワルツの代表作であり、ウラジーミル・ナボコフが「アメリカ文学のお気に入りの6つの短編」に挙げた「夢のなかで責任がはじまる」を含む全8編を収録した作品集です。
20歳の主人公が映画館で、若い頃の両親がぎこちないデートをする姿を目撃する場面から物語は始まります。強引な父親と、彼の思いやりに気づかない母親の姿に、主人公は「やめたほうがいい!何もいいことなんか起きないんだ」と叫びますが、何も変えられないことに絶望します。
この作品は、1937年に雑誌「パルチザン・レヴュー」で発表され、当時の若い読者を中心に熱狂的に受け入れられました。日本では、柴田元幸や坪内祐三など、多くのアメリカ文学研究者から愛されてきました。
本書には、表題作のほか、若手作家たちが集うサークルでの群像劇「この世界は結婚式」、大恐慌時代の中流ユダヤ人家庭の三世代の姿を描いた「生きる意味は子どもにあり」など、ニューヨークを舞台に若者たちの焦燥と輝きが描かれた作品が収録されています。
さらに、本書には、シュワルツから文学と詩作を学び、その後の活動に大きな影響を受けたミュージシャンのルー・リードによる序文が収録されています。
「おゝデルモアあんたがいなくてどれだけ寂しいか」という書き出しから始まる序文には、師への深い敬愛の念と、彼との個人的なエピソードが、まるで音楽に乗せ歌うように綴られています。ルー・リードは、シュワルツを「これまで会ったなかでいちばん偉大な人」と称え、自身のバンド、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのデビューアルバムに収録された楽曲「European Son」をシュワルツに捧げています。
本書は、アメリカ文学史上の重要な作家であるデルモア・シュワルツの才能と魅力を存分に味わえる作品集です。文学ファンはもちろん、ルー・リードのファンにとっても必読の書と言えるでしょう。
書籍情報
書名:夢のなかで責任がはじまる
著者:デルモア・シュワルツ
序文:ルー・リード
訳者:小澤身和子
仕様:四六変形判/仮フランス装/308頁
発売日:2024年7月22日
税込定価:3,190円(本体2,900円)
ISBN:978-4-309-20908-1
* 装丁:クラフト・エヴィング商會(吉田浩美・吉田篤弘)