ジラール・ペルゴが贈る新たな時の芸術
スイスの時計ブランド、ジラール・ペルゴが新しい「スリー・フライング ブリッジ トゥールビヨン」を発表しました。このモデルは光の美しさを最大限に引き出す設計がされており、時計愛好家たちの心をつかんで離しません。ブランドのルーツであるラ・ショー・ド・フォンの伝統を感じさせるこの時計は、1860年代の革新にも触発されたデザイン哲学が息づいています。
ラ・ショー・ド・フォンとジラール・ペルゴ
ラ・ショー・ド・フォンは、18世紀から時計製造の中心地として知られており、今ではユネスコの世界遺産にも登録されています。この地にマニュファクチュールを設立したジラール・ペルゴは、時計業界において長い歴史を持つブランドです。新作の発表には、この街の特性が色濃く反映されており、光を巧みに取り入れたデザインが際立ちます。
スリー・フライング ブリッジの誕生
ジラール・ペルゴの名が広く知られるようになったのは、彼らが1867年に発表したトゥールビヨンを内蔵した懐中時計からです。この時計では、ブリッジが単なる構造部品から美しさを兼ね備えた要素へと進化していきました。その後、1889年にはスリー・ゴールドブリッジ トゥールビヨンが発売され、時計製造の新たなデザイン哲学を定着させました。
2021年に登場した「スリー・フライング ブリッジ トゥールビヨン」は、自然光の効果を利用した非常に革新的なモデルです。自社のグランドコンプリケーション工房で生まれたこの時計は、1889年の歴史的な懐中時計からインスパイアを受けています。
設計の革新
新作は従来の地板を排除し、ブリッジが香箱やトゥールビヨンを支える構造が採用されています。このデザインにより、時計は空中に浮かんでいるかのような印象を与え、ケースの内壁から突き出た透かし彫りの台座によって固定されています。通常の文字盤を持たず、機能性を損なうことなくインデックスがケースに装着されています。
2024年には、さらに改善が施され、正午位置のインデックスはツインバトン型に変更されました。また、サファイアクリスタルはこれまでの「ボックス」スタイルのままですが、少し丸みを帯びて、左右対称性を増しています。これにより、全体のデザインが一層洗練されています。
着用者への配慮
デザインチームの努力により、ラグの短さとケースの丸みが調整され、着用時の快適性も高められています。特に手首の細い方にとって、この改良は大きなメリットとなるでしょう。さらに、時針と分針にはサテン仕上げが施され、視認性を向上させた点も注目です。
見逃せない美しさ
新開発のネオコンスタントエスケープメントによって、革新的なストラップも付属します。ブラックアリゲーターのストラップにはゴールドアクセントが施され、全体的にエレガントな印象を与えています。手仕事で仕上げられたブリッジは、ピンクゴールドの輝きが繊細に浮かび上がるように仕上げられています。また、スリー・ゴールドブリッジは、ブラックで統一されつつ、個々のエッジには美しいピンクゴールドが見え隠れします。
まとめ
ジラール・ペルゴの「スリー・フライング ブリッジ トゥールビヨン」は、光の美しさと革新が織り交ぜられた一品です。伝統的な技術と現代的なデザインが融合したこの時計が、さらなる時計愛好家たちの心を掴むことでしょう。新しい進化を遂げつつも、ジラール・ペルゴが持ち続ける哲学と品格は、これからも変わることはありません。