ヤギと藍野大学が共同で実習衣のリサイクルプロジェクトを始動
大阪市のヤギ株式会社は、学校法人藍野大学と手を組んで、卒業生が不要になる実習衣のリサイクルプロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトの目的は、不要となった実習衣を回収・再繊維化し、環境負荷の低減を図ることです。これにより、持続可能な社会の実現に向けた新たな取り組みが展開されようとしています。
概要と背景
藍野大学は医療系大学として、特に看護学部と医療保健学部の学生が指定の実習衣を購入する制度を設けています。学生たちは病院や施設での実習を経て、就職後には支給されるユニフォームを着用するため、実習衣は卒業時に不要になることが多く、これまで廃棄されるケースが一般的でした。
この状況を受けて、ヤギ株式会社は、自社が持つ衣料品の回収と再繊維化のノウハウを活用し、不要になった実習衣をリサイクルするプロジェクトを開始することになりました。新たに生まれ変わる衣料品は後輩の学生たちが実習で使う医療ポーチとして活用される予定です。
環境への意識向上
令和7年3月に発表された環境省の調査によると、毎年約55.8万トンもの衣服が家庭や事業所から廃棄されるとされています。そのうちリユースやリサイクルに回されるのは一部で、多くは埋め立てや焼却される運命にあります。その結果、温室効果ガスが排出されており、環境への影響が懸念されています。これらの課題を解決するため、藍野大学では学生たちに環境への意識を高めるプログラムも併せて展開していく予定です。
繊維のサーキュラー・エコノミーの確立
本プロジェクトは、実習衣の廃棄削減を実現し、資源を効率的かつ循環的に利用する「繊維のサーキュラー・エコノミー」を藍野大学内に確立することを目指します。最終的にはカーボンニュートラルを達成し、衣類廃棄ゼロエリアを創出することを目指します。今後、藍野大学を皮切りに、他の医療系大学との連携や採用拡大が期待されています。
ヤギグループのビジョン
ヤギグループは、「繊維の可能性をイノベーションによって引きだしていく」とのビジョンを掲げ、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めています。中期経営計画でも「サステナブル」をキーワードにし、多くのステークホルダーと共に繊維産業の課題解決を目指しています。プロジェクトについての詳細は、ヤギの公式ウェブサイトで確認することができます。
詳しくは、ヤギ株式会社の
サステナビリティページをご覧ください。
学校概要
藍野大学
- - 所在地: 大阪府茨木市東太田4丁目5番4号
- - 設立: 2004年
- - 学長: 佐々木 惠雲
- - URL: 藍野大学公式サイト
この新たなリサイクルプロジェクトは、今後の環境保護活動の成功例となるのではないでしょうか。