レゾナックが推進する革新的なプラスチックリサイクル技術
株式会社レゾナック(社長:髙橋秀仁)は、国立研究開発法人である新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「グリーンイノベーション基金事業」において、混合プラスチックを基礎化学品に変換・再生する新しい技術の開発が採択されました。このプロジェクトは、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みの一環として、化石資源に依存しないプラスチック原料製造への道を切り開くものです。
プロジェクトの概要
本プロジェクトは、2024年度から2032年度までの最大9年間にわたり実施される予定で、容器包装等の混合プラスチックを高度に選別せずに熱分解してエチレンやプロピレン、ベンゼンといった基礎化学品へと直接変換する「ケミカルリサイクル技術」の確立を目指します。この新技術の開発により、使用済みプラスチックの有効活用が進むだけでなく、化石由来の資源から製造される基礎化学品の原料や製法の革新も期待されます。
現状のプラスチックリサイクルの課題
使用済みプラスチックのリサイクルは、これまで主に分離された単一のプラスチックが対象とされてきました。2021年のデータによると、使用済みプラスチックの中で分離しやすいプラスチックは全体の21%に過ぎず、残りの大部分を占める混合プラスチックは地面に埋めたり燃やしたりする熱リサイクルが主流でした。しかし、分離には多くのコストが伴い、分離が困難なプラスチックが多くあるため、GHG(温室効果ガス)削減には新たなリサイクル技術の開発が急務です。
新しいリサイクル技術に期待すること
本プロジェクトでは、使用済みプラスチックの大半を占める混合プラスチックを、60%以上の収率で基礎化学品に変換し、環境に配慮した製造過程を確立することを目指しています。また、この技術の開発にともない、製造時に排出されるCO2量を0.8 kg-CO2/kg-オレフィン以下に削減することも目指しています。スケールアップを行い、まずはラボでの実験から始まり、少量試作、大規模実証へと進んでいきます。
事業の財政的側面
このプロジェクトには約118億円の事業規模が見込まれ、そのうち約80億円がNEDOの支援を受ける形になります。そんな中で、レゾナックは持続可能な成長と企業価値を追求することを掲げ、化学リサイクルの推進・拡大を急務としています。
レゾナックの使命
レゾナックグループは、半導体や電子材料、イノベーション材料、化学製品と幅広い分野で活躍する企業であり、持続可能な社会の構築を目指しています。新社名の「Resonac」は、「共鳴する」という意味の英語と「化学」の「C」を組み合わせたもので、これから共創の精神で新たな価値を創造し続ける姿勢が表れています。
レゾナックの取り組みを通じて、未来のプラスチック利用法と環境問題に対する新たな解決策に期待が寄せられています。詳しい情報は、レゾナックの公式ウェブサイトをご覧ください。